2024.07.15
HEART「メロディーが美しく弾きやすいので人気のプレリュードですね。」
明夫「しかしですばい、この嬰ヘ長調に付いとる♯の数!!ちょっと僕には無理かもしれんです。6個もあるじゃなかですか…」
HEART「本当に。調号が多いのは確かに取っ付きにくいですね。解決策が二つありますよ。①全部を♯だと思って弾く②ヘ長調で弾く、どうですか?」
善雄「全部を♯と思う、とは確かに発想の転換ですなぁ!ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラが♯。シだけが何も付かない。」
明夫「なるほど!出来そうな気がしてきたです。バッテン、このバッテンはなんですか?」(写真)
HEART「それはダブルシャープといいます。シャープをシャープする。ドのダブルシャープはレ、レのダブルシャープはミ。何でそんなまわりくどい書き方が必要かはいつか芳美さんのレッスンで音階を使って説明しましたね。」
芳美「調性の中でのその音の役割の関係からでしたね。」
美香「では②のヘ長調で弾く弾き方は?」
HEART「音にはピッチと言って高さの基準値がありますね。今日は標準がA=440ヘルツとされています。現代では高めが好まれるけどバッハの時代は低かったのよ。しかもその値はバラバラで、地方によっての違いはもちろん、同じ街でも歌劇場や教会のピッチと宮廷のピッチが違ったりしたそうです。」
芳美「電子チューナーなんかなかったですものね!」
HEART「だから思い切って半音低くしてヘ長調で弾いてみては?と思いついたんです。調号も♭シがひとつになりますよ。いにしえの響き、と思ってヘ長調もありかな?と…。」
明夫「やってみたかです!!」
HEART「その際には元の楽譜の♯をナチュラルに、ナチュラルは♭に、ダブルシャープはふつうの♯に変更するのをお忘れなく…。」
芳美「先日ピアニストのトリフォノフもコンサートでラモーの作品を半音下げて弾いていましたね!あちらはあえて時代性を出すために、♯が増えて弾きにくくなるのを承知で変えたそうですが…。」
明夫「僕とは全然違う理由ですバイね。当然^^;」
HEART「16分の12拍子は1小節内に3拍子が四つなので、踊っているように軽やかですね。」
美香「本当にそうですね!タイが1拍目にかかっているところが、バレリーナが腕を伸ばして美しいカーブを描いているようで素敵です。私も弾いてみたくなってきました。」
*「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
熊本市
東区健軍ハートピアノ教室