2024.05.31
おいしそうなケーキがあります。でも太りそう…。食べますか?それとも食べませんか?
このような問いかけをされると、二つしか選択肢がないと錯覚し、ついその中から選ばなければならないと信じてしまいます。
この場合
🍰半分食べて半分は次の日に食べて太らないようにする
🍰そのケーキは食べないけど自分でカロリーの少ないケーキを別に買って食べる
などなど解決策は二択の他に無限にあります。
いえいえ、そもそもケーキ=太る、ということ自体不確かな事実。人により場合によります。
さて、ピアノの練習を習慣づけて、それを継続していくことは難しいことです。毎日ちょっとでもいいから練習してほしいのですが、これがなかなか大変。大人だって毎日何かを続けていくのは至難の業です。そんな時レッスンで次のような問いかけを使うことがあります。
れんしゅうしてくる→じょうずになる
れんしゅうしてこない→へたになる
このように紙に大きく書いて生徒さんに「どっちがいいかな~?」と尋ねます。するとだいたい「れんしゅうしてくるー!」という元気なお返事が返ってきます。でもこの問いかけはよく考えたらおかしいですね。
練習してもなかなか伸びない時期もあります。反対に行き詰まっている生徒さんは力を抜いて練習しすぎない週を作るのも大事です。しかし選択肢が二つしかないことに誘導されて、つい「れんしゅうしてくる!」と言わされてしまうのです。
またレッスンの終わり頃、あと一息でできそう!という時に「ん~あと1回最後に弾いてみようか?」と、言うと「えーーー。やだ〜。」ということも…。そんな時も
あと1回弾く→じょうずになる
あと1回弾かない→へたになる
と紙に書いてどうする?尋ねます。どちらかを選ばせると、紙を見ながらちょっと考えたあとに「弾く!」ともうひと頑張りしてくれます。これもよく考えるとおかしな問いかけです。
疲れているのに惰性で弾いてもよくない時もあります。たった1回弾くかどうかで急に腕が上がるでしょうか。これも私が書いた二つの選択肢から選ぶので、もう1回弾いた方がいいと言わされてしまうのです。
このような誘導のテクニックで、少しずつ練習の習慣がついていきます。
しかし次のレッスンで…
練習してくると言ったけど忙しかった
練習してくると言ったけどきつくてできなかった
練習してくると言ったけど言ったけど……
という生徒さんも…。う〜ん…。
何としてでも弾けるようになってほしい!という願いから、レッスンでは心理作戦も試行錯誤してみるわたくしです。
熊本市
東区健軍ハートピアノ教室