2022.10.22
明夫「ピアノ教室ネット投稿10周年。今月はトピックス祭りと題して過去の文章をお届けしています。さて、一気に秋。キンモクセイの香りがすごかですなぁ。」
HEART「あの香り…。小さい頃の記憶がよみがえります。外遊びに夢中になって陽が落ちてしまった時のこと。夕方が夜に変わる時のひんやりした空気。薄暗い帰り道の風景…。」
明夫「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪おでんが恋しかですなぁ。
そして一杯(^▽^)/」
【香り立つ】2015.08.31
雨の日に窓を開けると苔のような川のにおいのようなにぶく青いにおいがしました。子どもの頃を思い出しました。おばあちゃんの家の近くにあった樹に囲まれた神社の風景。
においは記憶までも呼び起こす力があるそうです。「共感覚」といい、一つの刺激によってそれに対応する嗅覚、視覚や聴覚などが同時に生ずる現象ですが、においにはその感覚が強いようです。
静かな、落ち着いた
松にたとえれば、老松という感じ
子どもの頃を思い出すような
夏のしずかな日本の、白い砂に青い松
遠い、どこか昔見たような風景
冬の日だまり
淋しい
ほのかに暖かい
これはすべて香道で香を聞いた時の表現の言葉ですが、記憶や温度、風景、心の有りようにまでわたっています。心を無にして香と対峙し、集中すればひとつのことが見えてくるといいます。
ピアノを弾くことも「共感覚」を呼び覚まします。そして一つの音に集中すれば時空を超え、風景が広がり、色さえも感じる時があります。
また、香を「聞く」といい、逆に音を表現するのに「香り立つ」という表現を使うのが興味深いです。ショパンにはショパンの香り、モーツァルトにはモーツァルトの香りがあります。ドビュッシーの前奏曲集に「音と香りは夕暮れの大気に漂う」という曲がありますが、まさに音自体が香り立つように弾きたい曲です。
音に集中して指先の感覚を研ぎ澄ますと、音から様々な感覚が呼び起こされてきます。ぜひ「香り立つ音色」と評される演奏をしたいものです。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室熊本