☆気ままに、音楽あいうえお☆ 「つ」 ツィゴイネルワイゼン
2022.06.14
スペイン出身の作曲家サラサーテ作曲のヴァイオリン曲。Zigeunerweisenとは“ジプシーの旋律”という意味。ジプシー音楽の影響を受け、超絶技巧が駆使された名曲。
この曲の出だしはとても劇的で、一度は聞いたことがある方も多いはずです。ジプシー音楽(ロマ音楽)とはヨーロッパや西アジアやなどを移動しながら生活をするジプシー(ロマ民族)の音楽で、ヨーロッパ各地それぞれに特徴的な音楽が存在します。
ジプシー音楽には、日本人の私にも分かる何か人を惹きつけるところがあります。胸をかきむしりたくなるようなざわざわした感じや、身体の奥底から湧き上がる悲しみの感情、そして底抜けに明るく強いダンスのリズムなど、身体も心も激しく揺さぶられます。リスト作曲『ハンガリア狂詩曲』ラヴェル作曲『ツィガーヌ』などのクラシック音楽にも影響を与えました。
また、ジプシー音階と呼ばれる音階には増2度(音の幅の名前)の音程が二か所もあるので、独特な響きがします。このちょっと異国情緒な響きが魅力的なのは、子供の生徒さんもアンテナを立てるくらいで、レッスンで和声短音階に含まれる増2度に敏感に反応する様子からも分かります。
さて超絶技巧と呼ばれるこの曲はよくピアノと演奏されますが、ヴァイオリンパートと比べてピアノパート(管弦楽のピアノ編曲版)の難易度はそうでもありません。後半に入りヴァイオリンはフル稼働で弾きまくるのですが、ピアノは両手でリズムを「ンタンタ」と刻むだけ。そう、ヴァイオリンはその「ン」とか「タ」というピアノの音一個に対し4つの音を弾き続けるのです。ピアニストが激情に任せて暴走してしまうと危険極まりありません。
他にもモンティ作曲『チャールダーシュ』の後半は同じような構成です。声楽曲でもヴェルディ作曲『椿姫』から“ああ、そはかの人か~花から花へ”なども 声楽家にとっては難しい上向する速い音型が立て続けに現れるのに、それに沿って弾くピアノは簡単なので好きに突っ走るといじめているみたいになってしまいます。
もちろん難しさとは何に着目するかで変わってくるもの。“音楽の内面性を極める難しさ”の観点では、バッハのワンフレーズの数個の音だけでも納得のいく演奏になるにはかなりの技術が必要で“難しい”ということになります。音数や聴き映えだけではないところにも演奏の難しさはあります。
ちなみに伴奏者泣かせの曲もたくさんあります。シューベルト作曲『魔王』、フォーレ作曲『ヴァイオリンソナタ』その他ほとんどの管楽器の現代曲等々…ですが、『魔王』などは腱鞘炎覚悟でございますし、他の曲も、現代曲は難しくてなかなか理解してもらえない、すっごく変な読みにくい音をいっぱい弾いていることを聴いている人は気が付かない、あんなに練習したのに弾けても目立たない、そして何時間もブブレンした箇所が2秒で通り過ぎる、などの悲しさもありますです…ハイ。
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熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室熊本