2014.08.03
大阪市のピアノ教室「ミューズの会」です
過去に一度だけ、ピアニストが最後の一音を
弾き終えても、誰もが拍手を忘れてしまった
…という素晴らしい演奏を聴いたことがあり
ます
スー・ヘイキョンさんという、韓国の女流ピ
アニストが、ムソルグスキー『展覧会の絵』
を演奏した時です
演奏の途中から、自分がホールで聴いている
のか、それとも、ピアノの楽器の中に入り込
んでしまったのか…
自分自身がどこで演奏を聴いているのかが、
さっぱりわからなくなってしまう程、全身が
ピアノの音色に包まれました
演奏が終わっても、しばらくの間、圧倒的な
音の余韻と自分自身が一体化していて…
拍手の事は、すっかり忘れていました
そして…
ホールの観客も、誰も拍手をしませんでした
しばらくして、ピアニストが立ち上がり、観
客の方を向きました
どこからか、ゆっくりとパチ…パチ…パチ…
と拍手が聞こえ始めて
そこで、やっと我に返って(ほぼ放心状態)
「あっ…拍手…」
少しずつ、少しずつ…まばらな拍手が重なり
はじめて、最後はホール全体が地響きするよ
うな、そんな拍手が続きました
(拍手喝采!もう、鳴り止まず…です)
自分自身がピアノの音と一体化する…という
体験は、言葉では表現が難しいのですが、本
当に素晴らしい演奏でした
私にとって忘れることのできない演奏会です