2025.08.25
トピックスをお読み頂きありがとうございます。
この夏で最も舞台の回数が多かった小6の生徒さん。
銅賞のトロフィーを頂いて夏が終わりました。
親子さんでピアノが大好きで、とくに生徒さん本人が舞台が大好き。
大きなホールで空間が広いほど、また極限の緊張感の中で弾くことが心地良く楽しい、珍しいタイプです。
感性で伸び伸びと弾いています。
しかし、これから先の舞台で弾く曲は、伝統的なクラシックの大御所の作品になります。
子供のピアノ曲集ではなくなっていきます。
すると、自由に感じるままに楽しく音楽を感じて弾くことが、許されなくなるんですよ。
インベンションはバロックの奏法でなければいけないので、ロマンのように揺れてはいけない。
モーツァルトはモーツァルトの音で弾くべき。
近現代のドビュッシーは楽譜にデュナーミックの指示が多く、それを忠実に守って弾くのが鉄則。
クラシックを弾くなら、自分の自由な発想ではなく、とにかく楽譜に忠実に従わないといけない。
そんなピアノが楽しいのか、やりたいのか、これから本人に確認が必要になってきますね。
自由に楽しく弾けないから、レッスンを受けたいと思えなくなった。
自分なりに工夫して綺麗に弾いたのに、楽譜の指示と違い、認めてもらえなくてつまらくなった。
クラシックレッスンでよくあることですよね。
入賞はしましたが、本番はかなり自由に弾いてしまった部分もあり、講評では注意すべきことを多く書いて頂いてました。
伸び伸びと好きなように弾かせてあげたいですが、やっぱりそれだと、ドビュッシーの作品がもつ美しさ、芸術性になってないんですよ。
生徒さん自身は楽しいかもしれませんが。
この先、趣味でも10年、20年と弾き続けると大人になります。
その時に自由に伸び伸び弾けるか、それがいいと思えるか、、違いますよね。
大人になると作品をちゃんと弾きたいし、作品本来の美しさや芸術性を表現して納得の満足する音で弾きたいと思うでしょう。
やっぱり、きちんとレッスンでクラシックの伝統的な正しい奏法を習った方がいいと思うんですよ。
モーツァルトもモーツァルトのタッチで弾くから、ロココ調のあの美しさが楽しめますしね。
作曲者が意図して、指示した楽譜を忠実に再現するのが、最も美しいに決まってますよね。
自分の感性で自由に弾くのが、作曲者本人の感性で意図した指示で弾く本来の美しさに適うはずもない。
せっかくレッスンを受けているんですから、自分で自由にやらせてあげるより、ここはやはり正しい奏法を指導した方がいいと考えています。
生徒さん本人が理解してくれる性格であるか次第ですけど。
私は茶道が好きです。
若い頃はお稽古に通っていました。
型にはまった所作の1つ1つに全て意味があるんですよ。
自分で自由に伸び伸びも素晴らしいですが、指示されたことを聞いて従える理解力も凄く大事です。
自己流 VS 伝統
何が正しいかは分からないですが、やりたいことは本人次第でしょうね。