2018.10.29
先週の発表会の振り替え休みに、古楽器のセミナーに行きました。
定員は20名。申し込めて良かった😊。
母校、国立音楽大学の楽器学資料館は200年前の貴重なフォルテピアノを多数所有しています。
あまりにも貴重なため、荷物の持ち込み禁止でロッカーに預け、写真撮影も禁止です。
その貴重なピアノをモーツァルト、ベートーベンといった古典のソナタの第一人者、今井 顕先生が実演して下さいました。
イギリスのBroadwood社の1817年製造の縦型のグランドピアノから始まり、1791年頃に製造されたスクウェアピアノから1900年頃のグランドピアノ10台の構造のレクチャーを受けて、音色を聴き比べていきました。
200年前のピアノは、今とは随分と音色が違っていますよ。
まだ鉄骨を使わず、木で出来ていますし、ハンマーの材質もフェルトではなく皮です。
弦を押さえるダンパーも違います。
まだこの頃はダンパーペダル(右側の)もありません。
音量は小さいですが、繊細で柔らかい音がします。
実際にモーツァルトやベートーベンはこのピアノを弾いていました。
先生がそのピアノでモーツァルトやベートーベンを弾いて下さいましたが、何とも言えないような軽やかな美しさがありました。
ピアノはどんどんと進化して、材質も変わり、音量が出るようになり、今のピアノに近づいていきます。
1900年頃のピアノは実際にドビュッシーが使っていたものと同じで、先生が「月の光」を弾いて下さいました。
1839年製造のGrafのレプリカを試奏させてもらえました。
今のピアノとタッチがかなり違います。
シングルエスケープメントで軽い、その分打鍵した後に指が上がる離鍵する筋肉が欲しいです。
当時のピアノでソナチネ、ソナタの速くて軽いパッセージは、真珠の粒のような綺麗な音が出たんでしょうね。
どのピアノも半音近く低く聴こえましたが、当時の調律に合わせて415〜430Hzで調律しているそうです。
それから、鍵盤の幅が今より1オクターブで4mmくらい狭いそうです。
昔のピアノだと、10度もとどいたでしょう。
質問コーナーでは、マニアックなお話がたくさん聞けて興味深かったです。
当時の楽器の音が聴けたことは大きな収穫でした。
古典のソナタを弾いたり、生徒さんにレッスンで教える時に、イメージからお伝えできることが増えるといいと思います✨✨✨。