2016.02.25
狂言風オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
全国ツアー初日
〈一風変わった演奏会に行ってきました。タイトルだけではよくわからない。〉
駐車場に車を止め、エレベーターに乗り込もうとしたその時。中でOPEN ボタンを押しながら叫ぶ⁉怒鳴る⁉がなり立てる⁉女の人。
「おとうさん‼おとうさん‼
おとうさん‼早く‼」
下向いてひたすら、そのおとうさんを待つ私達(-_-;)
10秒後、女の人の夫であろう白いジャンバー着た小さな(いや、小さくなった)おとうさんが登場。ブツブツ言い訳をしている様子。女の人ブチキレMax、頭から湯気♨
絶句……
【狂言風オペラとは】
大蔵流狂言師、茂山一門とドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン菅楽8重奏団のメンバーが長年、新しい演目に取り組み、モーツァルトのオペラに挑戦してきました。
例えばスーパー歌舞伎と同じように、これはオペラとコラボレーションした新作狂言。
そして、噺家、桂米團治さん(米朝さんの息子)が脚本、演出、出演をしています。アタラシイ‼
【 オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」】
ヴォルフガング アマデウス モーツァルト作曲の喜劇。
オペラ「フィガロの結婚」を観た皇帝ヨゼフ2世が、その中で使われたセリフ
「コジ・ファン・トゥッテ(女はみなこうしたもの)」
を題にしてオペラ作りをモーツァルトに依頼したそう。
これは始まる前の舞台です。
下手に楽団スペース。中央に金屏風、そして舞台正面にお座蒲団。
始まりは桂米團治さんの、解説落語。すでに会場は笑いの空気。
そして8重奏団の演奏者が演奏しながら現れる。
一瞬の静けさの後、「これは このあたりに住まい致す…」と、決まり文句で始まりまする。太郎冠者と次郎冠者の登場でござる。
オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の曲が場面場面でナレーションの役割になり、演奏とお芝居が交差いたしまする。
狂言師たちも、途中「うっ❗歌うんかい⁉」とオペラ風に発声歌唱するのでござる。発声が素晴らしくなかなかうまいのでござる。ほんの一瞬ですが。
楽団員もセリフあり、と、カーテンコールまで徹頭徹尾笑わせてくれる。
【モーツァルト作曲オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」あらすじ】
ある二人の士官とその恋人である美しい姉妹の物語。この姉妹の貞節を確めるために、老哲学者が士官たちに仕掛けた賭け。
芝居をして戦地に行くふりをし、姉妹と別れる。男たちは別の男に成り済まし姉妹に巧みに近付き求婚する。
さて、姉妹はどうなるか⁉結局、浮気がバレてサイアクになるはずが…ここはモーツァルト。どこまで行っても明るく楽しい。
桃色喜劇の帝王モーツァルトと狂言のコラボに目をつけるとは凄いでこざる。
さて、
朝からジャンジャン雨が降り、肌寒かったのに、笑いまくり、拍手しまくり、すっかり体が暖まり~~ああ楽しかったと、駐車場に戻ると。
なんと‼白いジャンバーの小さいおじさんとその奥さんがエレベーターホールに。しかも、まさかの同じ演奏会のパンフレットを抱えて何だかウレシそう。頭の湯気はすっかり消え…
いやいや~~「コジ・ファン・トゥッテ」
桃色帝王の思うつぼでこざるごりまする🎵ー 場所: 豊田市コンサートホール・能楽堂