2014.06.21
豊田市コンサートホール
6月15日に1年半ぶりの感動の再会でした。2012年12月(このトピックスにも載せました)87歳だったおじいちゃんは、今回は88歳。
フランスの人間国宝。
舞台に現れたおじいちゃんは、おかっぱの白髪がライトでお帽子のよう。バチカンのパパ様かと思った!!化石のように刻まれた皺、お顔は無表情。2012年の時より、さらにお顔が床に近づいたかな?トレードマークのステッキと共に、ポツリポツリとピアノまで…いつものようにステッキをピアノに引っ掛け、いざ!
①ブラームス:4つのバラード 作品10
とかく小規模で繊細で控えめなブラームスの小品は、聴けば聴くほどのめりこむ。おどろおどろしい雰囲気の中に、蜘蛛の糸が降りてくるように美しい旋律が流れる。この時、琴線に触れどっと感動が起こる。
こんなことを、身体を微動だにせず演奏する人物は、88歳なのです。
②グリーグ:ピアノソナタ ホ短調 作品7
超有名な、おそらく1番有名なグリーグのピアノ協奏曲と同じ、めちゃ若い頃に作曲された曲で、エネルギッシュでバイタリティー溢れる若者が弾いて当たり前!!なのに、しつこいけど88歳のおじいちゃん。
身体のどこで弾いてるの?ほとんど手首から下しか動いてない。ってか指も動きが速すぎて止まっているみたい。目をつぶれば正に若者の演奏。
ノルウェー人のグリーグ、抒情詩的な部分は若者じゃ、おじいちゃんにはかなわない。
休憩になり、明るくなった瞬間、周りの人たちは声も出ないという表情。
休憩だというのに、立ち上がれない。
③ボロディン:小組曲
④カステルヌオーヴォ=テデスコ:ピエディグロッタ 1924 ナポリ狂詩曲
2曲とも初めて聴きました。ナポリ狂詩曲は、おじいちゃんの故郷のナポリで、おじいちゃんが生まれたころに作曲されたものだそうで…おじいちゃんの米寿をお祝い(自分でか?)するかのように、お洒落で華麗な曲でした。この歳で珍しい曲を、完璧な暗譜と完璧な演奏とは!!もう奇跡です。
アンコールはエルガー:愛のあいさつ
誰でもご存じのポピュラー曲です。短い曲ですが、息をのむ美しさに、不覚にも涙が出ちゃった。
のだめちゃんは、よく感動して泣いていましたが、実際、感動で涙がでるなんて、めったにあることではありません。1年中コンサート行ってる人でも、一生に1~2度あるかないかです。
気付けば、周りの人たちも鼻すすってた!!
客席立ち上がって、拍手喝采。
おじいちゃん、ニッコリ笑って、大きなお手々をお茶目に振って退場。
またね🎶必ず。