2013.06.26
ピアニスト「ヴァレリー・アファナシエフ」モスクワ生まれの65歳。
作家、詩人、哲学者…でもあり、親日家で日本の能にも精通しているカリスマ芸術家です。この日もコンサート後に能楽堂でお話会がありました。
日本の「間」や「もののあわれ」について語るドキュメンタリーがNHK BSで2回も再放送されています。
「もののあわれ」とは、消えゆく時のながれに覚える悲しみのことだそうで(日本人なのに、私には暗号にしか…)ロシアを亡命した時の悲しみと重ね合わせているのです。(確かに東側に暮らしていた音楽家達の演奏は、共通した底知れない何かを感じます。)源氏物語や徒然草などを読みこなし、日本人以上に日本人の心を持っているのです。
オールブラームスというプログラムで、しかも後期のマニアックな作品を20曲。極端に遅いテンポで弾くことで有名なアファナシエフは、1音1音を「静寂」の中に浮き上がらせます。それが聴衆には、映像のように和音進行が見えてくるのです。なんとも神業です。
いつものように、演奏後サイン会に走りました。ステージでは愛想のない(坊主がお父さんに「挨拶しなさい」と頭小突かれたみたいな)おじぎで、アンコールもなし。一体どんな偏屈なおじさんかと恐る恐る…「めるしぃ ぼくぅ」すると…満面の笑みで「Merci ♡」昇天~~なんてチャーミングなジミー・ペイジ(現在の)!!出されてもいない手を勝手に握っていました。この後、能楽堂へ…
— 場所: 豊田市コンサートホール、豊田市能楽堂