2013.03.12
3月3日に能狂言を見に行きました。狂言「花盗人」シテ野村万作、そこまで笑い満載の演目ではないのですが、ラストでパッと桜が咲いたように、緊張感が一気に解けます。能「千手」平重衡と千手前の別れのラストシーンは、不意に涙が出るものでした。30年ぶりの能でしたが、昔は全然面白くなかったのに、この年で分かるような気がするのはなぜでしょう。モーツァルトが今、すごくいいと思うのと同じでしょうね。ー 場所: 豊田市能楽堂
能は7世紀頃に中国大陸から伝わった、日本最古の舞台芸能で、今でいうミュージカル、オペラと同じものです。今はイヤフォンガイドがあるので、知らなくても楽しめます。お子さんも何人か来ていました。
16世紀に織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などにより武家の教養として発展しました。能で使われる楽器は、笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、太鼓。これに謡を加えるとお雛様の五人囃子です。笛は唯一のメロディー楽器ですが、実際には音程が取れず、ほとんど打楽器と変わらないそうです。しかし音は高く、説得力のある音色です。
去年の夏に行った西本願寺の北能舞台(国宝)が日本最古の能舞台です。私の過去のトピックスをご覧ください。
同じ16世紀頃の西洋音楽といえば、ルネサンス期で教会が中心の宗教音楽でした。グレゴリオ聖歌など声楽曲が主で、オルガン、管楽器、弦楽器もあったものの、まだバッハが活躍したバロック音楽を生み出す前のことです。