2012.08.01
会場は世界遺産、西本願寺。1日目は国宝「対面所」というお部屋で、普段は非公開となっています。
写真は、みどりさんが演奏した日本最古の北能舞台。(もちろん撮影禁止なので本願寺H.P.のものです。)
対面所からこの舞台に向かって聴いたわけです。なかなかの雨が降っていたのです。しきりに草が風で擦れるような音がしているところに、五嶋みどりさんが蓮のような淡い水色のタケノコのようなデザインのドレスを着、足袋をはき、滑るように渡り廊下(って言うのかしら?)から現れました。床上10㎝でチューリップが逆さまになったドレスから足袋の付いた雌しべが出ている感じ?
プログラムはJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」より、ソナタ第1番、パルティータ第1番と3番。
対面所の観客と能舞台のみどりさん。私たちの間には、目に見えるほどの雨のシルクスクリーン。
「聴こえるの?」
拍手の後、固唾を飲んで待った第1音は!雨にも負けず風にも負けず鮮明にキャッチし、それからは‥極楽浄土の世界へご案内~
みどりさんは、逆さチューリップのドレスで踊っているように体を動かしながらヴァイオリンを弾いているのです。まるでコンテンポラリーダンスの様に体でも表現しているのです!!板張りの上にずっと座っている観客は足が痺れちゃってるのも忘れ、極楽に鳴り響くヴァイオリンの音色に痺れちゃっていました。
5時を過ぎた頃、雨が止み始め、鳥がチュンチュンいい、近所の子供たちがふざける声やヘリコプターの音が聞こえてきたり、カラスまでがかぁかぁ鳴いて~夕方だから山に帰るのかしら?でも全然気にならなくて、そんな音まで一緒に鑑賞しました。
アンコールもなく、3時の銀行でシャッター下りるみたいに終了でしたが‥出口にみどりさんが立っていて握手してもらいました。演奏からは想像もできないほど小柄な人でした。少し離れたところに、あの!あの有名な五嶋みどりと五嶋龍のお母さん、五嶋節さんがいました。なんだか分からないけど‥感動です。