2019.10.12
25の練習曲で最も技術的に困難な曲『バラ―ド』。Beethovenの『運命』と同じハ短調、そして“misterioso“でと、何とも魅力的な一曲。多くの奏者が左手の16分音符を流暢に弾けないがため、それを理由にTempoを落とします。この16分音符の問題を解決しない限りはこの曲の演奏は難しくなりますので、まず最初にそこから解決していかなければなりません。演奏のヒントというよりは練習のヒントになりますが、左手を3拍子の1、2、3と、とらえず2拍子で『ドシド』→『ソラシ』と感じながら体の重心を十分に左側に乗せてみるとよいでしょう。クライマックスはChopanのピアノ・ソナタ第2番の終楽章がオマ―ジュのようなものを込めたかのようなミステリアスな形体。ChopanとBurgmullerはパリの空気を吸った同時代人。そんなパリの霧がかった空を思い浮かべると素敵な演奏になるかも知れません。