2012.03.15
足を痛めてしまい、ここ数日通院する事態となっています。
とある日、待合室のモニターを何気なく見ていると、番組のゲストとしてピアニストの舘野泉さんが出演していらっしゃいました。
待合室の音量上トークの部分はあまり聞こえませんでしたが、演奏の部分はしっかりと聴こえてきて、その演奏に不意打ちされたかのように じぃ~ん としてしまいました。
曲目は、カッチーニのアヴェマリア。
左手のみとは思えないくらいの演奏なのはもちろんですが、ただ「上手だな」と感じさせるだけではなく、人生から滲み出てくる独特な深さのような、若者ではまだ表現できないような次元の演奏に感じたからです。
凄い方だとはもちろん前々から存じていますが、この方は本当に「音楽」をしているんだなと改めて思いました。
お年寄り中心の患者さんたち。
身体の不具合によって気落ちしがちな心にも、こういう「音楽」なら寄り添うことができるのではないかなと待合室の雰囲気からも感じ、改めて音楽の可能性を考えさせられました。
歳を重ねることで可能になる表現がある。
どんなことを感じ、どんな風に人生を歩んできたかによって様々な表現がある。
だから私は、自分と人とを比べないし、生徒さん同士を比べることも好きではありません。
人生色々と大変な時もあるし、長く生きていくほど様々な困難も待ち受けているのでしょうが、私も、歳を重ねるにつれて変化していくライフスタイルをしっかりと受け入れ、楽しみきちんと味わいながら、その時その時の表現を生涯追い求めていけたら、音楽に関わる者としてはまずは幸せかな。。
そのためにも人間磨きの毎日なのです(^^)q
そして、やっぱり診療と指導は似ている。。
長ぁ~い待ち時間で色々と考えたとある一日でした☆