2014.01.03
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は『私の大切なもの』というタイトルです。これは今から遡ること三十数年前、私の高校入試の際に国語の小論文のタイトルとして実際に出題されたものです。
その時、記述した内容を私は今でもはっきり思い出すことができます。
当時私は芸大受験を決意し、本格的な専門レッスンに移行して2年が経過したところでした。私の実家には小学校1年生の時より、私の音楽的成長と共に歩んできたヤマハのグランドピアノG2があり、自分を育てててくれたその楽器への思いを縷々書き綴った内容であったと思います。
その作文から3年後には芸大受験のために上京し、大変申し訳ないことに、それ以降は里帰りした時に少し弾くぐらいで、ほとんど音楽を奏でることもなく今日まで来てしまいました。
それでも毎年決まって10月1日には、とても腕の良い調律師の方に40年近くにわたって念入りに調整していただいたお陰で、今でも良い状態をキープ出来ており、とても感謝しております。
そのピアノが昨年末の12月26日から、第2の人生をスタートすることになりました。
昨年ピティナのB級で本選優秀賞を受賞した私の生徒のSちゃんの自宅に防音室が完成し、G2はそちらへ移動して、時空を超え、今度はSちゃんを育ててくれることになったのです。
やはり楽器は演奏されてこそ命が宿るというものです。私の大切なG2が、今度は私の大切な生徒を育てて、Sちゃんやご家族、そして私に新たな幸せをもたらしてくれることを信じて、楽しみに見守っていきたいなと思っております。
私の大切なG2、そしてそれをまだ幼かった私に与えてくれた両親、そして良い状態にキープしてくれた調律師の先生、45年もの間、本当にありがとうございました。心より感謝を捧げたいと思います。