2013.08.18
今日は、日本クラシック音楽コンクールの地区予選に行ってまいりました。当音楽院からは、中学3年生のM君が挑戦しました。
M君は、昨年までは毎年ピティナのコンペに出場し続けて、前回までのトピックスで紹介済みの今年のYちゃんやSちゃん同様、本選優秀賞で次点というところまでは行けているのですが、全国大会出場の経験はまだ無く、今年はステージを変えて全国大会出場を目指している所です。
ピティナは時代ごとに4曲の課題曲をこなさなくてはならないため、M君のカテゴリーのE級位になると、音高の受験を考えている者ならともかく、一般の高校受験を考えている中3生にとっては、少し負担が重くなります。
そこで今年はピティナをお休みし、趣向を変えて、自由曲1曲でも参加できる日本クラシック音楽コンクールに挑戦することにしました。
通称「クラコン」は、ピティナに次いで参加者の多いコンクールで、特徴としては課題曲がなく自由曲で参加できることと、相対評価ではなく、演奏の完成度を絶対評価で評価し、例えば全国大会であれば、本選会において80点をクリアすれば、進出するにふさわしい演奏であったという評価となり、出場権が与えられるというものです。
ですからレベルの非常に高い参加者が集まっている時には、全国大会出場者が沢山出る場合もあり得るし、その逆のケースになると、該当者なしという事が有り得るというユニークなコンクールです。
参加者は自分の好きな自由曲で、原則カットもなく、思い思いの演奏を繰り広げますが、ピティナの課題曲に比べ、参加者の年齢にしては少しレベルの高い曲での参加が多い様に私は感じます。
M君も今回は1曲だけということで少し背伸びをし、ピティナではF級の課題曲に当たる、ベートーベンのピアノソナタ「ワルトシュタイン」の第一楽章でチャレンジいたしました。
少々難しかったのか、よく弾いてはいるものの、少し雑な感じになった事と、音のホールでの響き方にあまり注意を払う余裕がなかった事が悔やまれますが、一応本選の出場権は得ることが出来ましたので、これからさらに弾き込んで演奏に余裕を作り出し、内容的にも詰めていければと考えています。
この様な、様々に自分を磨ける場があることを、私はとてもありがたいなと感じています。
受験の年は、レッスンが途切れてしまうことが多く、そのことによって、そのままピアノを辞めてしまったり、続いたとしても情熱が萎えてしまったりと、とてもピアノにとっては難しい時期です。
M君は高校生になったら又ピティナに挑戦したいとの夢を持っていて、受験は大切だけど、続けてきたコンペをお休みすることで下手になり、みんなに追いつけなくなるのではとの心配がある様です。
もちろん競争ばかりが音楽ではないことは言うまでもありませんが、M君の中でピアノを弾くことが大切な事としてしっかり生活の中に根ざしてきているのを見て、指導者として嬉しい気持ちがないかといえば嘘になります。
色々と大変な時期にピアノを手放すことなく、自分なりのあり方で継続していこうという気持ちの背景には、自分にとって、ピアノがかけがえのないものに育ってきているのだという実感が、恐らくあるのでしょう。
M君、頑張れ! ピアノも受験も! あなたの一生懸命な姿は、ご両親にとっても喜びであり、誇りであるに違いありません。
これからも共に夢を持って、向上の道を歩んでいきましょう。よろしくお願い致します。