2022.03.11
昨日辺りから急に春めいてきました。花川の河津桜が満開を迎えてとても綺麗でした。菜の花とのコラボも正に春爛漫🎵土、日曜には更に気温が上がる予報ですので、絶好のお花見日和ですね。
さて本日のお題、谷川俊太郎さんは言わずと知れた日本を代表する詩人のおひとりです。御年90歳にしてまだまだ創作意欲は衰えません。
2月にETV特集で放送された谷川さんのドキュメンタリーがとても興味深かったです。
創作活動70年を越えて、初めて「子供の自死」という重いテーマを元に絵本の創作に関わる、というものでした。
番組内では谷川さんとイラストレーター、編集者の3人が1つの作品を作り上げていく過程で様々な想いをぶつけ合いながら絵本となっていく様子にとても感銘を受けました(コロナ禍ということで大半がメールでのやり取りでした)
まず、凄いなと思ったのは編集の方が子供の自死というテーマで絵本を作ろうとしたこと。そのオファーに戸惑い悩みながらも前向きに意欲を示した谷川さん、そしてその世界にイラストという形で奥行きを添えたイラストレーターの合田さん。3人の「決して死んではいけない」という強い想いが重なって「ぼく」の絵本が出来上がりました。
早速絵本を手に取りたかったのですが、テレビの反響が大きかったせいか版元ですら売り切れになってしまい叶いませんでした。
今は重版されて今月末には販売されるようです。販売されたら是非読みたいと思っています。
谷川俊太郎さんの詩といえば、今コーラスで歌っている「To Live」の元になっているのが「生きる」です。絵本として出ているので購入しました。詩だけではなく絵から伝わってくるものもありオススメです。
また、先程お話ししたテレビ番組の中で「自分の宇宙観は十代でデビューした頃とほとんど変わっていない」と仰っていたので、デビュー作の「20億光年の孤独」も絵本で買いました。
それ以外のオススメとして「ゆう/夕」「あさ/朝」も素晴らしいです。こちらは絵ではなく美しい写真に詩がついていて、左開きだと絵本、右から開くと大人向けの詩集になっていて親子で楽しめる本です。よかったらこちらもご覧くださいね。
最後に、「生きる」の絵本のあとがきとして谷川さんご本人のコメントが記されていますが、以下抜粋させていただきます。
私達が日々暮らしている時間はおおむねカレンダーと時計によって区切られた時間です。私達は用事や仕事や約束のために「いま」を消費しているのだとも言える。そういう「いま」を止めることは誰にもできないが、「いま」を意識することが、逆に流れて止まない時間を意識することにつながることがある。「生きる」の詩には私達の心を束の間立ち止まらせて、様々な「いま」の情景から普段はことさら意識することのない視点で、人生を俯瞰(ふかん)して見直させる働きがあるのかもしれません。