2022.11.13
深まる秋。
私が最も好きな季節。でもなぜか毎年秋を堪能する暇なく、気がつくと年末年始。なぜ??
それはさておき、11月、12月が好きです。
この2ヶ月だけで1年が終わってしまえばいいのにとさえ思ってます笑
発表会が終わってからの生徒さんの様子ですが、
皆さん本当に生き生きとレッスンに取り組んでくれています。本当にびっくりです〜。なんか目つきさえ違うんですけど…発表会効果って尊い〜。
次の発表会までこの状態だったらどんなに良いかしら。とほほ。
頼むよ、長持ちしてくれ、今のやる気!!
私はというと、今更やっと疲れが出て来まして、何故か目から上だけが眠くて仕方ないと言う謎の体調に陥っています。
季節的年齢的なものもあるのでしょう。困ったもんだ。
その日もあんまり体調が良くないので、朝のすきま時間を使ってYouTubeを見ながら、軽くヨガでもして景気つけようかなとテレビの電源オン。
「オススメ」動画として目に飛び込んできたのはユジャ・ワンのショパンのピアノコンチェルト。
ユジャ・ワンといえば、奇抜なステージ衣装の女流ピアニスト、以前ネット記事で目にしていたものの、きわものピアニスト??位の印象しかなかったので、その時も気にも留めなかったのですが、その音を耳にし、一気に眠気吹っ飛びました。
きわものでは無かったです。
先入観とはかけ離れた素晴らしい演奏です。
プロピアニストは誰もが日々切磋琢磨し、素晴らしい演奏をされていますが、彼女の演奏は別格。
個性は違えど、去年のショパンコンクールの覇者ブルース・リウを聴いた時にも感じた「違う土俵に存在してる感」
(他に言いようがないのか…)
その音楽は、的確に、躍動的に、そして静かに、時に深い抒情を伴い、人間が作り人間が奏でている音楽ではないかのように全く作為というものが感じられず、躊躇いもなく、私の中に吸収される気がします。
木にそよぐ風や、冷たい大気を温める日差し、凪ぐ海を目の前にした時のように、森羅万象から受ける感銘さながら、ひねた私にも素直に受け入れられる〜(笑)
勿論これは私の主観ですから、聴き手によって彼女の演奏の印象は違うはずです。
そして今更私が騒ぐこともなく、ユジャ・ワンは既に売れっ子のピアニストです。
ご興味があれば、ぜひ聴いてみてください。
(Amazon musicでも聴けます♪)
ショパンコンクールの話題でもう一つ。
日本では有名なブーニン。彼もまたショパンコンクールの覇者です。
コンクール後、旧ソ連から西側への亡命、日本人の奥様との結婚と波瀾万丈の人生を送りつつ、病などで体調を崩されていたとのこと。
そのため、演奏活動から遠ざかっていたようですが来年ツアーが決まったようで、この秋からプロモーションも始まったみたいですね。
過去に2回、彼の演奏を聴きに行ったことがあります。
コンクール直後だった1回目のリサイタルはともかく、2回目のリサイタルは記憶が定かではないのですが、確か15年くらい前でしたか。
正直あまり印象に残る演奏会ではなかったと思います。
ただ、何故かわからないのですが、彼の演奏から強烈な孤独感、寂しさだけが伝わってきたのは確かです。
音楽は発信する側もそうですが、受け手の感性も大事じゃないですか。
どちらの側でも私は優秀とは言い難いのですが、その感覚は鮮明で
「ブーニン、幸せを祈る…」
と帰途の車の中で泣いたことを覚えています。
この秋の演奏会の動画を見る限り、彼の人生はまだまだこれから良い方向へ向かうようです。
昔のようにバリバリピアノを鳴らさなくても、ピアノとご家族と共に音楽が彼を温かく包み込みますように。
そう祈ってやみません。
(画像は生徒さんお手製のマラカス^_^)