2017.06.24
一昨日は、導入、初歩の教本「ピアノランド」でも知られている、
樹原涼子先生の「スケール・モード・アルペジオ」の講座を受けてきました。
スケールは〈音階〉、モードは〈教会旋法〉、アルペジオは〈分散和音〉のことですが、
この教本は、それぞれの仕組みや練習方法が、
大変わかり易く丁寧に書かれているだけでなく、
美しく、音楽的に弾けるようになるための耳が育つよう考えられています。
樹原先生の冒頭のご挨拶の中での「ホルショフスキー」のお話は
いきなりググッときました。
ホルショフスキーはモーツァルトの再来と言われ、
99歳まで演奏活動していたポーランドのピアニスト。
そのホルショフスキーがアンコールでスケール(音階)を弾き、
その美しさに思わず聴衆が涙したというお話!
素敵なお話ですね?!
そうなんです!
ドレミファソって弾いただけで感動させることができるんです。
どんな曲も大ざっぱに分ければ、スケールとアルペジオで構成されています。
モーツァルトやハイドン、ベートーヴェンなどの古典派の楽曲の譜面をご覧になれば、
よくお分かりいただけると思います。
と言うことは、スケールとアルペジオが美しく弾けるようになれば、
ピアノは上手くなるわけです。
でもこれが、とてつもなく難しく、果てしなく奥が深いんですね。
音の粒を揃えて弾くことも難しいですし、
レガート、モルトレガート、ノンレガート、
スタッカート、テヌートスタッカート、等々。
2音間の繋げ方は無限にあり、その繋げ方によって音色を変えることもできます。
私がニース夏期国際アカデミーで勉強していた24歳の時、
イタリア国境近くで毎年行われているマントン音楽祭を聴きに行ったのですが、
その時はちょうど日本のフルーティスト工藤重典さんが
モーツァルトのフルートコンチェルトを演奏されていました。
その時のフルートで奏でられたスケールが美しすぎて、
スケールって、こんなにも美しいものなんだと感動したのを今でも覚えています。
毎日のスケールの練習、欠かせないですね。