2022.09.08
9/4の日曜日川崎まで出掛けて行きました。
ジャン•チャクムルというトルコ生まれの25才の瑞々しい青年です。彼は2018年の第10回浜松国際ピアノコンクールで優勝している若き才能の持ち主。当日のプログラムはモーツァルトのソナタ、シューベルトのソナタ、ショパンの即興曲、スケルツォと続き、最後はエネスコのソナタでした。アンコールはショパンのワルツ。私にとって殆ど弾いたことのある曲目でしたので親近感のあるプログラムでした。ただエネスコは名前だけ聞いたことはありましたが、実際聴いたのは初めてで新鮮でした。ここでちょっとエネスコについて。
エネスコ(1881~1955)ルーマニア生まれ。ルーマニア民族音楽を反映した楽曲を多く作曲している。
さて、私の感想になります。
チャクムルは手足の長いスラリとした、イケメン!その長い手と指から紡ぎだされる音は、軽やかで柔らかく時に力強い、心地よいものでした。いわゆるガンガン弾くタイプではないのは好感が持てました。ただ全体にテンポが速いのでこちらが聴きたい部分もサッと過ぎてしまって、味わいのある演奏ではなかったように思いました。これは、25才に要求する方が無理なことかもしれません。これから彼がどう人生を生き、それをどう音楽に反映させていくかにかかっているのでしょう。でもそれを十分に期待できる逸材ではあると思います。ただ、最後に弾いたエネスコの演奏は、テクニックもさることながらなかなかの力演で印象に残るものでした。面目躍如を果たした感がありました。
では、今日はこの辺で。