2023.07.05
当教室では『小学校卒業』『高校受験』のタイミングで退会となるケースがほとんどですが、残念ながら稀にそうではないお子さんもいらっしゃいます。この場合は『練習をしないので』がほぼ100%の理由です。実はこれは日頃サポートいただいている親御さんのほうがギブアップしてしまっているように感じます。子供自身、曲によって練習量や姿勢にアップダウンが生じる子も少なくありません。当教室では必ず親御さんには「練習の声かけ」をお願いしているのですが「教える」ということはなさらないでいただくこととやる気がない場合には「そのまま放っておいてください」と伝えています。ここにポイントがありまして、これにより「親は助けてくれない→きちんとレッスンで聞いてこよう」と「親にうるさく言われない心地よさ」の両方がうまれます。こうなるまでに数週間かかりますがここを親御さんにはグッと堪えていただきたいんです。
ありがたいことに、私の生徒ちゃんたちはレッスンの時間を楽しみにしてくれていますが、残念なことに家での練習が『お母さんがうるさくて苦痛だ』『怒られるから練習したくない』というお子さんの声も聞きます。前述しましたように、あえて放っておくことで子供が家でどのような練習をしたとしても親御さんに叱られることがなくなるとわかれば前向きに取り組むことに成功することがよく見られます。
更に、ママがとっても大好きなお子さんですと親御さんとしては『練習しないので』と親御さんギブアップによる退会でも実はレッスン中にお子さんが話してくれたことは「ピアノは弾きたいしレッスンも良いんだけどママの怒る怖い顔見たくない。大好きだから怒られたくない」と。。。親御さんなりのお考えや葛藤あっての退会でもありますが、このように感じるお子さんもいると改めて知り私も親としての立場から身につまされる思いでした。
ピアノのような楽器の習い事は毎日の練習はもちろんなのですが、その内容やペース、テンションのアップダウンはそれはやっている本人と先生にしかわかりあえない所もあります。お月謝を納めてくださっている親御さんとしてはついついうるさく言ってしまったり勿体ないと思う時期があるかもしれませんが、どうか初めて「ピアノを習いたい」と教室のドアをくぐったお子さんの気持ちを思い出していただき、時にはグッと長ーい目で見守っていただけましたら、いつかきっと「あの時やめさせなくて良かった」と思っていただける日がやってくるかと信じておりますし、そのようになれるよう日々指導しております。