2022.09.10
これまで25年以上ピアノ指導をしてきました。教室を始めた頃は、ピアノ環境を整えることが、お子様のピアノ上達の鍵です。とよく話していました。
当時は、電子ピアノの質も今ほど良くないこともあり、ピアノか電子ピアノか迷われている方も、造花より生花、筆ペンより毛筆の筆です。幼い頃から本物に触れることはお子様の成長のためにはとても重要です。と話すと、なるほど!と納得され、ピアノをご購入される方が多かったです。
それから時代は平成から令和になり、電子ピアノは著しく進歩しました。
時代のデジタル化が進み、電子ピアノの音はグランドピアノの音を搭載し、申し分のない音色になりました。また、タッチも本物のピアノに限りなく近づいてきました。
こうした楽器の進化と、昨今の住宅事情が重なり、今ではピアノよりもデジタルピアノを選ぶ方が増えてきました。
しかしながら、ピアノとデジタルピアノは音の鳴る仕組みと構造が全く違います。
デジタルピアノは、鍵盤を押せば、楽器に搭載されている音が段階的に鳴る仕組みです。
楽器が音色を作っています。
ですから、デジタルピアノで練習しているお子さんが、実際にレッスンに来て、本物のピアノで演奏すると、自分では音の強弱や繊細なタッチで弾くことが難しいのです。やはり平坦な演奏になりがちです。弾いている本人もあれ?こんな感じじゃない。と段々つまらなくなり、5、6年で辞めてしまうお子さんもみえます。
その一方で、初めからピアノで練習しているお子さんの多くは、自分次第でピアノの音色が変わる事を身体で感じ、工夫してテクニックを磨き、自分の好みの音を追求していきます。ピアノの魅力に気づいたお子さんの多くは、中高生、もしくは大学生まで長くレッスンを続けていく傾向があります。
そして、、、 社会人になって教室を卒業された後も自分でピアノを楽しみ、一生の趣味にされる方もいらっしゃいます。
ですから、長くピアノを続けたい。とか長く続けさせたい。とお考えの方には、習い始めから本物のピアノをお薦めします。
大切にお手入れすれば、一生をともに過ごせます。