2022.08.13
夏季休暇に入り、目覚しく進化したと言われているデジタルピアノのカタログや取り扱い説明書を詳しく読んでみました。
10万円以下のリーズナブルな楽器から50万円を越す高価格帯のものまであります。
このところ生徒さんの多くがデジタルピアノを選ばれるので、今夏は少し研究しよう。と思ったのです。
その上で、実際に楽器を触りタッチを確かめ、音色を聴いた感想として、まず、レッスンに必要な便利機能が多く、導入者に好まれる理由はよくわかりました。そして、音色、タッチともに生ピアノに近づいてきたと感じました。
高価格帯になればなるほど、弾き心地は、従来のピアノの感覚に近く、心地良いです。
そして、楽器自体のポテンシャルはとても高く、スマホやタブレットを使うことにより、多種多様な機能が楽しめます。
ただ、音楽の長い歴史の中で発達してきた従来からあるピアノの「生の音の魅力」は、デジタルピアノの録音された音にはない豊かな響きがあります。
確かに、カワイ、ヤマハ、カシオの最新のデジタルピアノは、メーカーを代表するフルコンサートグランドピアノの音を搭載し、様々な音色が再現出来るようになりました。
正直びっくりするぐらいクオリティの高い音です。弾き心地も良いです。
けれども、ピアノとデジタルピアノでは楽器の仕組みが根本的に違います。 ピアノは、弾き手の指先のコントーロール次第で、音色が多彩に変化し、弾く音の強弱や表現を自分で感じることが出来ます。
一方、デジタルピアノは、録音された音が段階的に勝手に美しく鳴らしてくれる感じがしてしまいます。
何だか自分が奏でている音楽という感覚が乏しいのです。
もちろんデジタルピアノがあったら便利だし、楽しいなぁ。と思いますが、それでも、やっぱり自分の音を耳で確かめながら自分だけの音作りをしてクラシックの名曲が演奏したい!と思うならば、従来からあるピアノがいいなぁ〜と感じます。
ですから、これからピアノを始めたい。そしてクラシック音楽を学びたい。と考えているのならば、所有する楽器は、デジタルピアノではなく生の音を指先で感じられるピアノを選んで欲しいです。
生きているピアノとともに成長できる喜びをぜひ味わっていただきたいのです。