2022.06.11
近年レッスンに通われている生徒さんの所有楽器の傾向として、昔ながらのアップライトピアノを所有し、自宅練習されている方よりも、デジタルピアノで練習されている方が増えています。
10年ほど前までは、教室でもピアノの上達のためには、本物の生の音が鳴るピアノが絶対に良い。という強い思いが私自身にもあり、レッスンスタート時に楽器のお話をする時は、ぜひピアノのご購入をご検討してくださいね。とお話していました。
けれども、近年の住宅事情として、ピアノ不可のマンションが多く、住んでいる場所や条件などを考えると、ここ数年生徒さん全員に、アップライトピアノをお勧めすることが出来なくなりました。
そんな折、コロナウイルス感染症の拡大という状況のため、感染対策としてオンラインレッスンを始めました。その結果、生徒さんの多くがデジタルピアノで練習していることを知りました。
これまであまり着目してこなかった生徒さんのピアノ環境を垣間見たおかげで私の考え方が変わりました。
令和時代のニーズに応じた楽器との付き合い方に配慮したレッスンへの転換期だと確信しました。
まずは、生徒さんの所有楽器をお聞きし、調べたり、研究をし、楽器のポテンシャルを生かした自宅練習のアドバイスが出来るよう工夫していこうという気持ちになりました。
その上で、デジタルピアノ5大メーカー(ローランド・カシオ・コング・ヤマハ・カワイ)のカタログを見たり、演奏動画を聴いたり、実際に楽器に触れ、弾いてみました。
正直、こんなに性能が進化していたのかとびっくりしました。
タッチもひと昔前とは全然違い、価格帯によっては鍵盤の弾きごこちも普通のピアノと変わりません。音もコンサートフルコンの音色が搭載されていたりして素晴らしい音色です。ピアノ不可の住宅でも安心です。支持されるはずです。納得しました。
ですが、自分だけの音色を表現できる昔ながらのピアノがやっぱり一番良いな。というのが私の本音です。
音楽表現には、生のピアノにはかなわない。という思いがあります。
クラシックを本格的に学びたい方はやはりレッスンスタートからアップライトピアノが良いですが、趣味の一つとして楽しみたい方はデジタルピアノで十分な弾きごたえがあると感じました。デジタルピアノは電化製品ですから、10年ぐらい経って本格的に練習したい。と思ったら、二台目は奮発してグランドピアノに買い替える。という選択肢もあるのかな。とも思いました。
ピアノは一生付き合える友だちです。
楽器とともに人も成長します。
これからピアノを習い始められる方皆様が、自分の選んだ楽器を大切にし、昨日よりも今日、今日よりも明日少しずつ少しずつ一生進歩できたらと想像すると幸せな気持ちになります。私も一生ピアノのある生活を楽しみたいです。
お仲間募集中です。