2011.10.12
さて、今日も昨日に引き続き、「浜松市楽器博物館」のお話です。
この博物館では、世界中のさまざまな楽器を展示し、楽器や音楽を通して世界の人々の文化を紹介しています。
西洋音楽の楽器の博物館は国内だけではなく、外国でも多くありますが、アジアの楽器、アフリカの楽器など、身近に見たり聴いたりなかなかできないものも、展示されています。
常設展に加え、特別展、企画展、レクチャーコンサート、ワークショップなどなど、楽器に関してあらゆる
方向から、情報を発信し、そして更なる情報を世界各国から収集しています。
世界でも最大規模であり、第一級の楽器博物館です。
常設展示だけでも、一日では見つくせないほどの、膨大な数です!
特に、私のような職業の人にとっては、毎日通ってうっとりと楽器の世界に浸りたいくらい、魅力的な場所です。
鍵盤楽器のコーナーを、少しご紹介しますね。
ピアノの原型となったものは、何百年も昔からありますが、はっきりとそれとわかる
ご先祖様は、
チェンバロ(ハープシコード)、クラヴィコード、ダルシマー
です。
(それぞれの楽器の構造については、またいずれ・・・!)
この「ピアノ」の発明者であり、チェンバロ製作者としても有名であったのが、
”バルトロメオ・クリストフォリ”(1655~1731/イタリア)です。
その楽器は、
”グラ―ヴェチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ”
(弱い音と強い音が出る大きなチェンバロ)と呼ばれ、
1709年までに4台製作されました(・・・ただし、これは現存しない)。
その後に製作されたクリストフォリのピアノは、世界に3台現存しています。
(ニューヨーク、ローマ、ライプチヒ)
この3台のクリストフォリ製のピアノをもとに、「KAWAI」によって1995年に復元された
のが、この写真のピアノです。
「KAWAI」の職人さんの仕事はすごい!
復元当時(1995年)には、まだその音色を聴くことはできませんでしたが、今回は学芸員のお姉さんが、実際弾くところを見て、聴くことができました。
美しい~~。そして、なんと繊細な音色。
そしてその名の通り、強弱がつけられる仕組みは、当時はどんなに画期的だったことかと、私は思いをめぐらせました。
チェンバロが主流だった時代に、この”ピアノ”という楽器は、ものすごく斬新で、人々に
受け入れられなかったそうです(・・・チェンバロは、音の強弱をつけることができません
でしたが、とても優雅でより繊細な音がします)。
なんでもそうですが、誰でも、始めから新しいものを受け入れるのは難しいですよね。
それはきっと、昔のヨーロッパの人たちも同じだったのでしょう。
みんなまずは、見慣れないものを倦厭するのですよね。
でも徐々に、その良さが認められ、”ピアノ”は人々の心に浸透して行きました。
そしてさらに、時は流れ、”ピアノ”という楽器は飛躍的に発展し、現在の形になりました。
私たちが、毎日弾くピアノは、すでに完成された形と言えるでしょう。
長い長い楽器の歴史の中で、たくさんの人々が、知恵を出し合い、改良を重ね、
このすばらしい楽器を生み出してくれたことに、私は改めて感謝したのでした。