2012.02.25
早いもので今年ももうすぐ3月。2月は逃げ月とはよく言ったものです。
今日は父の命日でした。ちょっとプライベートなお話ですが、私が今、音楽を楽しめる環境にいられるのは両親のおかげです。”悲しい時辛い時、ピアノを弾いて心豊かな女性に・・・”との願いからピアノを与えられましたが、長く関わっている中で、ピアノを続けて良かった・・・と思う場面がたくさんあります。その中の一つ、多分ダントツ1位は、父との思い出があります。
学生の頃、夏休みだったか、帰省中の私は、夜自宅の応接間でピアノの練習をしていました。ほろ酔い気分で父が帰宅し、いつもはちょっと覗いて、声かけて居間へ行くのに、その日は部屋に入り、ソファに腰かけて、”ブラームスの子守唄、弾いて!”って言ったのです。博識で色んな事に興味を持っている父でしたが、クラシックはあまり詳しくはないと思っていたので、びっくり。モーツァルトでもなく、ベートーヴェンでもなく、子守唄といえばシューベルト・・・でもなく、ブラームスときたので。小さい頃から、色々な演奏会へ一緒に行ってたので、今思えば、”ブラームスの子守唄”も不思議ではないのですが、その時はとても驚いたのを覚えています。そして、私が”ブラームスの子守唄”を弾いてあげたら、父はすやすやと寝入ってしまいました。私のピアノが心地良かったのか、酔いが回ったからなのか(多分その可能性大) 何だかとっても幸せな時間だったのを、30年ほど前の出来事なのに、鮮明に覚えているのです。父が亡くなって、天国で心穏やかにいて欲しいと願い、何度となく弾きましたが、私は、ただただ寂しくて辛くて、ピアノを弾きながらこんなに胸が締め付けられる思いは、初めてでした。
上手く伝わらないかもしれないのですが、今日父の命日に寄せて、書き留めておきたいと思ったのです。(写真は、実家に飾っている私達三姉妹お雛様です。50ン才のお雛様です)
今、レッスンを頑張っている生徒の皆さんも、これからたくさん心地良いピアノの時間を体験して欲しいなぁと思います。練習は辛い時もあるし、なかなか上手くならないし、あ~って言いたくもなるけど、でも、でも、続けていくことで、それぞれが感じる、そんな素敵な瞬間に、きっとたくさん出会えると思いますよ。