2015.05.02
ゴールデンウイークまっただ中ですが、今朝急に予約が入った体験レッスンと、補講レッスンがありました。
Nちゃんの補講レッスンは、夏の発表会で弾く平吉毅州先生の「骸骨たちの陽気な行進」を中心に行いました。
Nちゃんは、メロディーを聞くとすぐに覚えて弾いてしまいます。
そういう能力も大切ですが、読譜といういやーな作業なしに弾いていると、音符が読めない人、または楽譜を読むのが面倒くさい人、になってしまう可能性があります。
私は自分で楽譜を読んで、自由に表現できる事を目標にしているので、Nちゃんにはひとつひとつ音を読んで、リズムを数えて弾くように指導をしています…が、この「骸骨…」は音もリズムも難しくて、Nちゃんは悪戦苦闘中です。
多分私が弾けば、その通り真似をして弾いてしまうのでしょうが、私はあえてそれをしない…!!
私もNちゃんもレッスンが終わる頃にはへとへとになってしまいました。
Nちゃんは、ストレスから身を守る自己防衛本能からか、緊張をほぐす為の生あくびを連発!!(ただ眠いだけ!?)
私は目がかすむ。(年か…( ̄▽ ̄))
なんとか最後まで自力の読譜はできましたが…。来週まで練習をどのくらいしてくれるのやら( 一一)
体験レッスンは社会人の方でした。Wさんは高校生くらいまでピアノを習っていたそうで、今日はツェルニー40番とソナタアルバムをご持参していただきました。
ブランクがウン十年ある、とのことでしたが、少し弾いて頂くと多少ぎこちなさはあるものの、昔一生懸命練習されたのだろうな…という感じはみうけられました。
ツェルニー40番くらい弾ければ、音もリズムも自分で読んで弾けないこともないので、そうなるとピアノを習う意味がなくなってしまいます。
というわけで、今度は原典版の楽譜を使って、作曲者自ら書いたアーティキュレーション(スラーやスタッカート)で弾いてみることをご提案しました。
ピアノを習う目的は一人一人違うので、有名な曲がサラッと弾きたい方もいるでしょうし、わざわざ原典版まで使って昔弾いた曲をもう一度練習するなんてと…思われる方もいるので、あくまでも提案ということでお話をしました。
教室には、わが師・今井顕先生が編纂された「初版および初期楽譜に基づく校訂版 ソナチネアルバム(全音版)」「同・ソナタアルバム」があるので、Wさんがご持参した楽譜と比べて、違いを実際に弾いてご説明しました。
私も子供の頃はWさんが使っていらした楽譜と同じ物を使って練習をしていました。今でこそ原典版はよく見かけますが、私が子供の頃は、「解釈版」や「校訂版」といわれる作曲者とは縁もゆかりもない編纂者が様々な指示を入れた楽譜ばかりでした。
ソナチネアルバムの楽譜を持っている方は見て頂きたいのですが、例えばクレメンティのOp.36No.4の冒頭の左手はオクターブでファを4小節繰り返し弾きますが、私が子供の頃に使っていた楽譜では、この左手に長いスラーがついていました。
なので、左手がべっとり重い感じで、あまり好きな曲ではありませんでした。
ところが原典版では左手にスラーは一切なく、今井先生によれば軽く切って弾いても良い、とのことなので、小指に少しアクセントを付けて
ポッポッ
ポッポッ…と切って演奏してみると!!!なんて生き生きとして愛らしい曲になるのでしょう!
この感動を是非Wさんにも味わって頂きたくて、色々な曲を弾いてご説明しました。
体験レッスンにしてはマニアックな内容になりましたが、Wさんは来週から教室の仲間になってくださることになりました。
私もレッスンが楽しみです!