2020.02.19
「僕、手を洗ったほうがいいかな…」
教室にはいるなり、つぶやくY君。
いつもは「あー疲れた」とか言って、人生の愚痴を話しながらリュックサックから楽譜を出しているのですが…。
巷で感染者が増えてきている新型肺炎の影響で、子供たちも学校で色々なことを習ってきているようです。
Y君は、洗面所に入るなり「手を洗うの嫌なんだよね。水が冷たいから…」とぼやく…。
「失礼ね。お湯が出るわよ!ここは。」
蛇口のレバーを回すと冷たい水が…。
…マンションが古いせいか、水がお湯に変るまでやや時間がかかります…
ハンドソープをたっぷり付けて手を洗うY君。
泡が薄灰色に変わり(汚れ!)ます。
「学校で習ったけれど、石鹸で手を洗う前にアルコールで擦って、最後に石鹸でばい菌を洗い流すといいんだって…」
Y君は、手首までゴシゴシ擦ってピカピカの手になりました。
そのせいかピアノもいつもより弾けていたような…
今日最後の生徒さんは大人の生徒さんです。
メールで「まだ職場です。遅刻しないように頑張っていきます。」という連絡があったものの、到着したのはレッスン時間を少し回ったころでした。
「すみません。」焦って教室に入るSさん。
医療関係の仕事をされています。
今日は新型肺炎について会議があり、その会議が延びてしまったとのことでした。
不要不急の外出は避けるように、同じ部署で会食をしない…そんな事を伝達されたそうです。
自転車で猛スピードを出してきて、暑そうにしているSさん。
「ちょっと窓を開けて、冷たい空気を入れましょうか。空気もきれいになるし…」
窓を開けると、ひんやりとした空気と、目の前のつつじヶ丘駅の駅員さんのアナウンスが大きな声で聞こえてきました。
教室は二重窓になっているので、レッスン中はほとんど電車の音は聞こえません。
ピアノの椅子に座って、休むSさんに質問しました。
「さっき小学生の生徒さんが手を洗う時、先にアルコールで消毒してから石鹸で洗うといいって言ってたけれど…どうなんでしょう?」
「私達はとりあえず石鹸でよく洗ってからアルコール消毒です。反対ですね…」
うーん。どっちがいいんでしょう。
子供の手は皮膚がデリケートだからアルコールは洗い流した方がいいのかな…。
早く肺炎が収まるとといいですね。
マスク、アルコール、塩素…が三種の神器なんて嫌です…。