2018.04.25
「機能的にはどこもおかしくないんですけどね…」
調律師のSさんが、少し困ったように言いました…。
少し前から、ピアノから変な音が聞こえるようになりました。
打鍵すると、遅れてウヮンと耳障りな響きが後追いして聞こえてくるのです。
先週の金曜日に調律師のSさんに来て頂いて、あちこちみてもらいました。
弦の問題ではなく、フレーム(ピアノの木の部分)に何か起きているとのことでした。
Sさんはあちこちピアノの中を点検した後、鍵盤の端の方の裏側にある大きなネジを締めて、ソフトペダルを何回か踏んでみました。
すると、おかしな音が聞こえなくなりました。
「このネジ、ミッキーマウスに似ているでしょ。だから子供さんに一つちょうだい、なんて言われるんですよ。」と、Sさんが言いました。
ピアノの裏を覗き込んでネジをみると、なるほどミッキーさんのように見えます。
気温の変化などで、木がしまったり、ゆるんだりしてネジが緩くなったのでしょうか…。
異音の修理が、案外早く終わったので、通常の調律もしてもらいました。
そしてレッスンが始まり、3人目くらいの生徒さんがピアノを弾き始めると…また例の不快な音が聞こえ出しました。
Sさんに今日来て頂いたのは、この音を再度直してもらう為でした。
Sさんと約束したのが1時だったので、少し早く教室に行って、ピアノの音を鳴らしてみました。
ウヮン…ラの音を後追いするように響きます。
その後、何曲か弾いていると、なんと!全く変な音がしなくなりました。
Sさんとの約束まであと5分…。
えーっ、なんでー!焦りながら鍵盤をいくら連打しても、倍音を沢山含んだきれいなラの音が聞こえます。
異音がしないのは喜ばしいけれど、今はとりあえず変な音がして欲しい!?そんな気持でラを連打していたら、ついにSさん到着…。
事情を説明すると、まあとにかく見てみましょう…と言って、ピアノの中を覗き込みました。
そして、あちこちのネジを締めて…。
音に異常がないので、Sさんがお帰りになろうとしたとき、私が何気なくファのシャープを押すと…。
ビーン…今度は別種の異音が…。
Sさんが再度道具を出して、調律をします…。
「困ったもんだね…。機能的にはどこもおかしくないんだけどね」と仰いました。
気温や湿度の変化で、ピアノの音がおかしくなることはあるので、最近の寒暖差で音がおかしくなったのかもしれませんね。
人間だって、天候不順だと体調がおかしくなりますよね。
五月晴れでピアノの音が、安定することを願っています。