2016.11.20
腹痛が治まらず、金曜日には病院に行きました。
診察を終えると医師は多分冷えたのでしょうと言い、体が温まる漢方薬を処方しました。
金曜日のレッスンは本当に辛かったです。
土曜日はやや体調は回復したものの、朝9時から3才のお嬢さんの体験レッスンでした。
雨が降る中、ご両親と一緒に教室に来たAちゃんはやや緊張気味で、初めは「やりたくない」の一点張りでしたが、なんとなく教室の雰囲気に慣れてきたのかレッスン終了時には笑顔も見られ、歌ったりピアノを弾いたりの活動もできました。
小さなお子さんの周りの様子を感じるアンテナは繊細で、何もやりたくないとお父さんの胸で顔を隠していても、ちゃんと先生や教室の雰囲気を感じているものなんですね。
レッスン時間がAちゃんの生活と合うかどうか等、もう一度ご家族で相談してからピアノを始められるとのことでした。
その後、生徒さんが元気そうにレッスンに続々といらっしゃいました。あい変わらず賑やかな土曜日でした。
そんな中一人欠席したのは、受験生のO君でした。検定試験を受けるから…とレッスン中にメールが着ました。
受験まであと少しなので、時間を惜しんで勉強したいのでしょうが、O君は頑張ってピアノを続けています。
多分ピアノが大好きで、レッスンが気分転換になるのだと思います。
あまりガツガツしたレッスンを今のところしていないO君に先週ちょっとした話、私が感じたことを話しました。
O君は今、ショパンのワルツを練習しています。
あまり練習できないせいもあるのでしょうが、拍子感が無くただ音を横並びに読んで弾いているので、ちょっと目線を変えて日本の音楽や絵について話しました。
それは私が何年か前に詩吟にピアノ伴奏を付けて演奏した時に強く感じたことです。
教室のクリスマス会は、毎年ゲストを呼んで歌や楽器の演奏をしてもらってます。
ある年、友人の詩吟の先生にピアノ伴奏で詩吟を歌ってもらえないか頼んだら、面白そう!とのお返事を頂き和洋のコラボレーションが実現しました。
李白の詩に歌を付けた「静夜思」を歌って頂けることになりましたが、当然のことながらピアノの伴奏譜はおろか西洋風な五線紙に丸を書いた楽譜もありませんでした。
仕方が無いのでCDを貸してもらって耳コピー、五線紙にメロディーをおこして尺八の伴奏の良さを残しつつピアノの伴奏を付ける…といったピアノの先生には辛い作業を行いました。
いざ楽譜に音をかこうとすると、音はわかるのですが、拍子が無く、まず何分の何拍子?どこで小節を区切ればいいの?と、なり非常に困ったことがおきました。
でも拍子なんかでくくらなくてもきちんとしたまとまりがある日本の音楽、詩吟の凄さを感じた一瞬でもありました。
自然の流れが気持ちいい…そんな感じでした。
考えてみれば日本の焼き物や絵は偶然の創造を尊び、儚くなくなるもの、一瞬の美しさを愛でるものが多い気がします。
備前焼の図ってはできない色や形の味わい、墨絵の偶然できる濃淡、達人が書いた書道の作品…偶然の創造の美しさが感じられます。
幾度かの自然災害に悩まされ続けた私たちの先祖が、たおやかにしのいだ生き方、そんなものが文化にも影響を与えたのかもしれません。
その点、西洋ものはかっちりしています。
マイスターから受け継がれた陶器、作曲家が血の滲む思いで作った渾身の作品を五本の線の中に丸で表現、再現する時はこの長さと大きさ、切れ目はここまで!と、ご丁寧に弧線でくくってくれている。
…だから譜面のとおり、拍子感は感じられるように強拍と弱拍はきちんとね、スラーのくくりの意味も作曲家がどうしたいのか深読みしないとね…とO君に話しました。
その後O君と会っていないので演奏がどうなったのか…来週のレッスンが楽しみです。
さて、さて、明日のレッスンまでには体調は復活するかな…。