2020.09.14
「あなた、もっと料理をしなさい。音楽と料理は似ていると思うの。」
と、声楽の先生に言われたことがあります。
プロの演奏家は、料理の腕も一流という方が多いそうです。
当時、世界中で活躍されていたその先生のご自宅で、手料理を何度かご馳走になりました。
確かに、どれも素晴らしく美味しく、まるで一流レストランのご馳走をいただいてるようでした。
具材を丁寧に調理し、味の微調整、スパイスの調合、見た目も美しく完成させること、それが音楽に通ずる物があると言うのです。
なるほど、この一音にもう少しスパイスを‥
この音に深みを‥料理に例えると、見えてくるものがあるような気がします。
先日、一からラーメンを作ってみました。
豚で丁寧にダシを取り、豚肉は角煮にし、
丸二日かけて完成させました。
もちろん煮卵も忘れずに。
感動!
手間暇かけて出来た時のあの喜びは、ずっと練習していた曲が仕上がった心境と言えばいいでしょうか。
ところが、何という事でしょう!
美味しすぎて、あっとゆう間に完食してしまったのです。
丸二日かけたものが、たった10分足らずで!
そこで、気づいたのですが、我々は一つの曲を仕上げる為に、数ヶ月或いは一年かけて練習します。
でも本番は一瞬です。
本番での緊張の一瞬、美味しいと思う一瞬、そのほんの瞬間をより充実させる為に、試行錯誤し、多くのエネルギーを費やさねばならないという意味でも、似ているのかもしれません。
音楽と料理は似ている。
奥が深いです。