2020.01.06
ベートーベン生誕250年ということで今年はベートーベンをたくさん聴く機会に恵まれるのではないかと思っていました。
1月5日eテレのクラシック音楽館でアンドラーシュ・シフの弾き振り、室内オーケストラはカベラ・アンドレア・バルカでベートーベンのピアノ協奏曲を聴くことができました。
聴いた方も多かったのではないでしょうか。ピアノ協奏曲全曲演奏の1番と5番でした。
演奏の間にはシフのインタビューがあり、いかにベートーヴェンという作曲家と作品に対して尊敬の念を抱いているかが、語る言葉の端々に感じられました。
バッハといえばまず聴くのは芸術的なシフの演奏でした。この日のベートーベンも
際立つ音の美しさ
音色の変化
弱音の美しさ
充実した音
絶妙な歌い方
あげればキリがありません。
日頃はソリストとして活躍している奏者による室内オーケストラの豊かな響きもすばらしい!
弾き振りでの演奏を見たのは初めてでしたが、時には右手で弾きながら左手で指揮をしたりと全てが音楽♫
しかもアンコールはなんと
ピアノソナタ24番!
アンコールでこの演奏が聴けるなんて贅沢すぎます☆
インタビュー最後の言葉、ベートーベンの「内面の温かさ」「人間愛」それが演奏に凝縮されていたのだと感じました。
演奏が終わって、確か以前にテレビの企画でシフが指導するベートーベンピアノ協奏曲のシリーズがあったことを思い出しました。
楽譜棚を探してみるとテキストが見つかりました。NHKのスーパーピアノレッスンでした。
ピアニストとして活躍している小菅優さんも生徒として名を連ねていました。
このテキストには楽譜の一部を引用してのアドバイスや楽譜に書き込んだアドバイスなど、ピアノ協奏曲の1番から5番まで掲載されています。
(このスーパーレッスンの企画はルイサダのショパン、ベロフのドビュッシーなどもありました。)
テキストの解説には
曲やベートーベンへの思い
古典音楽の意味
伝統
作品の解釈
など改めて読み返してみても非常に深みのある内容です。
さらに興味深かったのはたまたま耳にしたシフ自身の練習の様子について書かれていた部分です。
協奏曲の本番を控えマスタークラスも控えていながら、全く別の独奏曲を〝一つのフレーズを弾いてはそれに耳を傾け、もう一度確かめながら繰り返す〟
という真摯な芸術家の姿だったというのです。
あの素晴らしい演奏もこうしたワンフレーズずつを積みあげて成り立っているという重みをズシリと感じました。
実際に足を運んでホールで演奏を聴くに越したことはありませんが、テレビで貴重な演奏を聴けたのは幸先の良いスタートでした。
来週はピアノ協奏曲の2番・3番・4番の演奏が放送される予定とのこと、今から楽しみです♡