大人の生徒さんとの初回レッスンで見えた“焦り”の正体
2025.11.13
音を外すたび、出遅れるたびに繰り返される「焦るわ…」。
その一言の背景に、大人の学びの「繊細な気持ち」が潜んでいました。
初回レッスンでは、ゆっくり弾くメロディーに私がそっと和音を添えながら、生徒さんが安心できる空気づくりを大切にしています。
それでも「間違ってはいけない」「下手だと思われたくない」という思いが表情にふっと滲むことがあります。
実はこの生徒さん、体験レッスンのときに
「以前の先生に“下手”と言われたことがあって…」
と話してくれました。
過去に言われたたった一言が、大人であっても「焦り」をつくることがあります。
ピアノを始める理由も、背景も、感じていることも、人それぞれ。
だからこそ、指導者として大切にしているのは
「その人がどうありたいか」を丁寧に汲み取ること。
間違いも含めて、その人の音を一緒に育てていくことです。
帰り際、生徒さんは少し照れた笑顔で
「これからもよろしくお願いします」
と言ってくださいました。
間違えても大丈夫。弱さを見せても大丈夫。
そんな安心の土台を育てながら、
これからのレッスンを一緒に創っていきたいと思います。