2025.10.10
じっとしていることさえ、本当は大変だろう男子のAくん。
レッスン中に色々動いたり、おどけたりしてますが、1曲通して弾く時の目力、小さな背中から伝わる集中モードのオーラ。Aくんはじめ、どの生徒ともその瞬間に立ち会えるたびに心が動きます。
ピアノ教師をするなど夢にも思わなかった昔の私にも伝えたい。「こんなにも人間ってすごいんだよ。こどもから学べることって、本当に大きいよ!」と。
私が発表会をしているのは、上手に弾けることが目的ではなく、それぞれの生徒が期限の決まったものに対して努力をするということの意味を体感してほしい、本気で向き合ってみてほしいから。当日を迎えるまでのその時間が、生きていく中でも大切なものがたくさん溢れていると思うから。
当日も「上手に弾けたね」も素敵なことだけど、そこが大事ではないと私個人としての想いがあります。
「舞台を楽しめたね!」「これまでも頑張ってたね!」と親子で、家族でそこに至った成長や、声かけあって支え合った時間、音楽や取り組むことの楽しさを心いっぱいに感じてほしいのです。
緊張して挫けそうになったり、逃げたくなったり、泣きそうになっても、舞台に一歩ずつ歩んだその経験、スポットライトを浴びて拍手をもらったことの経験、、全てが宝物になると私は信じているから。
期限を決めて取り組む。
「いつまでに」という節目を大切にする。
生きていく中で大切にしてほしい。
真剣な眼差しになる瞬間のAくんをみて、改めて、なぜレッスンをしているのか、発表の場を設けているのかを考えた日でした。