2025.07.13
「この曲、どうしても弾いてみたいんです」
彼がそう話したのは、ベートーヴェンのとあるソナタ。
まだ難しいと感じる部分も多いのに、「好き」という想いが彼を大きく動かし始めました。
安易に弾きちらかすようならレッスンで取り扱いたくない想いが私にあり、彼と向き合って話し合った末のレッスン曲でした。
「このメロディラインが主役、主役を支える執事のようなもの、2人の背景になるものがここ。。どうする? 主役のメロディ歌ってる?誰かに語りかけてる?」etc.
そんな問いに、彼は自分なりのイメージを持って、音に表現をのせていきます。
技術がいる、でも気持ちも大切。
その両方に向き合おうとする姿は、レッスンでも頼もしく映ります。
音の表情が変わってきたのは、やはり“好き”があるから。
何度も同じフレーズを弾き直し、納得がいくまで音を探す彼の姿に、私は静かに感動しています。
音楽は、心から湧く想いに応えてくれる。
そんな経験を、彼は今、ピアノを通じて育んでいます。