2023.09.20
いつの時代でも「間違う」ということは誰もが怖いものです。「間違う」ことは「失敗」として取り返しのつかないこととして捉えられることもあったり、
「いやいや、失敗は成功のもと!」「失敗を繰り返していくうちにブラッシュアップされる!」などという前向きな方も多かったりします。
さてピアノ教室において。
こどもたちも大人も怖いなと思うのはピアノ発表会などで「音を間違う」「暗譜が怪しくて頭の中が真っ白になって弾けなくなる」ということが多いです。
もちろん、私も音を間違いたくはないし、真っ白になって弾けなくなるっていうことが嬉しいわけでもないのです。
でもそれを、取り返しのつかない「失敗」として扱わないと私自身は考えています。
音が間違っても音楽の流れが止まらなければいい、そして真っ白になって演奏がつっかえてしまってもいい、何なら飛ばしてでも最後の音にたどり着いて何食わぬ顔で終わってもいい。そう思っています。
これは、私自身も演奏会でこういったことをやってきましたし、いわゆる失敗とされることをたくさん経験しました。
そこで頑張ることは大事。でも完璧は求めない。もちろん、完璧であることを目指し、高みを目指すことも悪くはないのです。
ただ、この世の終わりのように「演奏が完璧でない」「音を間違った」「流れが止まった」「飛ばして終わってしまった」ことを嘆く必要はないと私自身は思っています。
音楽の完璧とはなんぞや?にもなってきますが、そこは今日はおいておいて。
今できていないことに、イライラしてしまうこと、投げやりになること、泣き叫ぶことに、私も教室では必ず受け止めます。向き合います。ただ、感じるのは本人があまりにもマイナスのエネルギーを使い果たしてしまって疲れてしまうだろうことに心が痛むこともあります。
完璧を求めない。
まずは、楽しんで取り組んでみる。
これは、ピアノに限った話ではないというのは、読んでくださっている皆様ならお分かり事かもしれませんが、私たち大人がまずは楽しんでやってみる。自分の中のこだわりに挑戦するのはよし。ただ、完璧を求めすぎてマイナスのエネルギーとなるならば、少し離れて見つめ直してみる。
きっと音楽が、生きることが、もっともっと喜びに変わると思うのです。
そういった心の柔軟な強さも育てることを、フェリーチェでは大切にしています。