2016.05.05
さて、高1の秋にかーちゃんが選んだのは
ショパンのポロネーズ「英雄」
これはすごく人気がありますよね。
とても魅力的で、誰でも弾いてみたいと
思うような曲。
わかるわー弾きたいよねー。
でも、ちょっとというか、かなり心配な曲でもある。
中間部の左手オクターブの連続、これが難所。
ここさえクリアできたら大丈夫と言ってもいいかも。
手も広がるし、音楽センスもいいし、
とてもすなおにレッスンしてくれて、
高校生になったから心理的に余裕もできて、
かーちゃんがやってみたいというならやらせたい。
それならね・・・
これね、色々大変なところもあるけれど、一番心配なのはこのオクターブ。
ここがうまく弾けないとどうにも仕上がらないのよ。
だけど、ちゃんと私が言った通りに練習する?特訓しちゃだめだよ?
「はい!わかりました!がんばります!」
テクニックの難所は、手指の故障が起きたら大変。
それを防ぐために、細かな注意を与えます。
指使いをこれとこれでやってみて、弾きやすい方を選んでね。どっちがよさそう?
早く練習しちゃダメ。気楽に弾いててね。
どっか痛くなったら休んで。無理に弾いちゃだめだよ。。。
常にかーちゃんの手指や腕を心配しながら進めていきました。
どう?慣れた?
「きつくないです!大変だと感じません!」
こうして、本番まで不都合なしで進んでいき、
かーちゃんは納得のいく内容で弾き切りました!りっぱ!
一歩も引かない演奏は、それは大したものでしたよ!
「ピアノやっててよかったなぁって、特に高校生になってから思うんです。
友達はみんな途中でやめちゃって、弾けてていいねぇ、羨ましいって言われるし、
こうして難しい曲を、少しずつ弾けるようにしていくレッスンがすごく楽しくて・・・!」
そう?よかった!でも、イヤになるときもあったでしょ?
「小さいころはお母さんに練習しなさいって叱られることもあったけど・・・
5,6年生頃はちょっとイヤになりかけたし。
でも、難しい曲になってきたら楽しいっていうか、深いっていうか。
ピアノっていい!って感じです!」
レッスン室に入ってくるたびかーちゃんは笑顔で、帰っていくときも笑顔です。
いいピアノが弾けて先生も嬉しい!
かーちゃんのようになるのが先生の理想です。
それは、難しい曲を弾くということでなく、
“自分のピアノを深めて磨いていく作業を楽しめること”かな?
基礎がしっかりしていれば、特訓しなくても自分のピアノは磨かれていきます。
磨くという感覚も大事だけれど、
“自分と向き合って自分を育てていく”という時間を、ぜひ皆さんにも持ってほしいと
先生はいつも願っています。
いい!と思える時間、いい!と思える自分を求めてくださいね♬
手指の不都合が起きたら、それを克服するのはかなり大変。
よくない癖もかなりマズイ。手指の故障につながるからです。
わたし自身、それでかなり苦労しました。
中3の時、ノンストップで速く弾く曲をやっていて、どんどん腕が痛くなりました。
そうなるといつの間にか、鍵盤の上に手を乗せただけで強張るように。
いまならすぐわかりますが、当時は全くそのマズさを知らず、注意も受けず・・・
本当はそうならなうように防止しながらやっていくべきなんですよね。
でもそういうことを何も知らず、すっかり悪循環にはまっていきました。
そのあと音大の先生に習うことになりましたが、1年以上そのこわばりは取れず。
手指や腕って、条件反射するんですよね。
だから何もする気がなくても鍵盤に乗せただけで力が入ってすぐ痛くなっちゃう。
こうなったら改善に時間がかかります。
これはとにかく弾き方のクセで、悪い癖をつけない指導がポイント。
常に注意を払って修正してあげないと、無意識レベルで身に付いちゃう。
私はこれでずいぶん苦労しましたから、生徒たちにはそうならないようにと、
いつもそこを直しながら教えています。
音色も悪くなるし、早く動かなくなるし、とにかく悪い癖がつかないというだけでも、
練習が好転するのです。
目に見えないことなので、おうちの方にはその違いがわからないかもですが、
レッスンの中で先生が注意していることを真に受けてくださいね。
大事じゃないように感じることでも、大事なことしか教えてないのですから、
ぜひ小さいうちからいいものを身に着けて、かーちゃんのようになってくださいね♪