2016.05.04
中1の時に引き継いだかーちゃんも、
高3になりました。
中1で出会ったとき、
譜読みもできて音楽性もあって、
手指の条件もいい。
なのになんでブルクミュラーを弾いてるの???
それはちょっとした驚きでしたが、
まぁこういうことがないわけではないので、
早速やれることから始めていきました。
ハノンを与えて、
基礎的な指や手首の使い方、
練習のやり方、
そしてブルクミュラーを終わらせてソナチネ、
ソナタへひっぱて行くこと。
ソナチネは半年ちょっとでほぼ終わらせました。
かーちゃんはソナチネがむずかしくない力があると踏んでいたので、
どんどん進ませてもだいじょうぶ。
また、
吹奏楽部でオーボエを吹き、部活が忙しいのもわかっていたし譜読みも早い。
それならこの子は、
練習曲をこなすより一曲をじっくり仕上げていくほうがいいと判断して。
ソナタは誰を選ぼうか?
この手ならベートーヴェンが弾けるからそれで行こうかな・・・・
かーちゃんはまじめな性格で、
私が教えることをいつも深くうなづきながら聞いていました。
それは、子どものころから習っていた先生と違う内容が多かったはずで
受け入れにくいんじゃないかなという危惧もありましたが、
いつもすなおでひたむきにレッスンを受けていました。
高校生になり、弾きたい曲は?と訊くと、「ちょっと難しくてもやってみたいです!」
実は私、中学生が時間的に一番忙しいというのがわかるから、
こちらからむずかしい曲をやらせるのを遠慮するタイプ。
中学生には、やりたい曲を自分のペースで弾いてほしいと思うのです。
そのためにも小学生の段階でソナチネまで弾ける力をつけ、基礎を固めたい。
そして中学生になったら、
ムリなく弾きたい曲を楽しめるようにするというのが方針です。
そして高校生になったら、自分で弾きたい曲を見つけてトライする。
もちろん、レベルも求めますよ。
だけど高校生にもなると、要求するレベルまで来れるようになるのです。
さて、高校生になったかーちゃんはシューマンの“飛翔”をやることになりました。
シューマンは多声音楽で、厚みがあって解釈もむずかしい。
そのうえ多声部をつかめる手も必要。
中3の時にもシューマンの小品集で“気まぐれ”を弾いてるし、きっと大丈夫!
本番が終わったかーちゃんは、満面の笑顔!
自分の演奏、どうだった?
「はい!かなり満足できました!」
さて、次は何を弾きたい?
「あの・・・この曲はどうでしょうか・・・?」
____え?これ?
ちょっと戸惑った私。。。それはまた次回に♬
引き継いだ生徒さんをレッスンするとき、ほんの少し気を使います。
それは、私が教える内容が、今までの教えを否定するかもしれないから。
弾き方って色々ありますよね。
いい弾き方もたくさんあるし、そうでないものもいっぱいある。
その中で、いいものを身に着けるには矯正することがかなり多いのです。
初心者から私が教えているなら、常に教え、直しながら、
癖がつかないようにしていきます。
でも、ある程度教わってきた生徒さんの場合、
今まで無意識に弾いていたことを直していくのだから本人はそれは大変でしょう。
それを直していくこちらも、否定的に聞こえないように、でも譲れない一線は守りつつ、
限界を遠ざける奏法を教えていくのです。
よくない弾き方をしているといくら練習してもうまくならないどころか、
ヘタになったり手の故障が起きたりするんですよ。
私はそれをよーく知っているから、そうならないようにいつも気を使います。
先生が変わるのって結構大変ですよね。
慣れるまで大変なこともあるでしょうし、これでいいの?と思うこともあるでしょうし。
私の教室では幸いにもみんながよく吸収し、矯正しながら進んでくれているので
本当によかったと思っています。
先生を信じてやってみて!きっとうまくなるよ!
その証明はむずかしいけれど、コンクールに入賞したり発表会を聴くとわかるかも。
とりあえずは、信用してくださいね♪