2015.07.31
ピアノを習い始めのころは
みんなやる気いっぱい!
なので、先生は
ムリなくやれそうな分だけを教えていきます。
「あ、やれそう!」と思うと、やりたくなるものね。
でも、もしかしたら、
だんだん難しさを感じるようになる時がくるかも・・・
おんぷが読めなかったり、
リズムをまちがっちゃったり、
両手がうまく連動しなくてつっかえたり・・・
でもね。これらはどれも、教えるうえでの想定内。
レッスンでは、自信をなくさないように色々予防線を張ってます。
ノートやカードで読符力をつけ、音の長さをしっかり数えるように促して・・・
ここまでは脳の理解がポイントになり、これはやればやっただけ成果になるもの。
だけど、両手で弾くのがうまくいかないことがあります。
これはなぜか?
子どもをよーく観察するとわかりますよ。
うまくいかないとき、それは、‘意識が指に働きかけてない’から。
みんな、鍵盤の上に手を置いたら指が弾いてくれるような気がしてませんか?
これは誰でもそう感じているところがあるかも。
でもそうじゃない。
指は脳から意識的に働きかけて、思ったように正しく動かすのです。
もちろん、慣れてくれば特に意識しなくても指は動いてくれますよ。
でも、慣れるまで、指が自分の意志通りに動くようになるまでは、
ちゃんと命令して動かそうとしないと間違っちゃうんです。
指が勝手にまちがっちゃうからミスするの、ではなく、
指をあなたの意志通りに動かせるように働きかけることが大事なのです。
ピアノに限らず、子どもは無意識にやることが多いですよね。
それを意識的に動かすことで、“できる”ようになっていくのです。
おうちでも働きかけてみてくださいね♬
とっても昔、年中さんの女の子がレッスンに来ました。
この子が今でも印象に残っているのは、私自身が絶句させられることが多かったから。
好戦的な反応が返ってくるのです。初回はびっくりしてうまく切り返せず・・・撃沈。
さて2回目はどうかなとちょっと気を張って臨んだレッスン。
じゃ、始めようね。本を出してくれる?
「なんで?何で出すの?」
なんでって、使うから。さ、出して。
「あ、うん・・・」
じゃ、色鉛筆あるかな?
「先生が出せばいいじゃん!何で先生が出さないのー?」
Hちゃんが使うんだからHちゃんが出すんでしょ?ちがうの?
「あ、うん・・・」
ノート書いてきたかな。見せてね。
「なんで先生に見せるわけ?」
ピアノ習うために来たんでしょ?幼稚園でも先生にそんな風に言ってるの?
「え」
それで叱られたこと、ないの?
「・・・」
はい、じゃあピアノ弾いてみようか。
「・・・うん」
とにかく、なめられては困ると気を張って、冷静に対応することに全力投球。
いやー疲れました!
1か月もしたらわかったようです。この人にわがままは効かないって。
それからはごく普通のレッスン展開ができ、やれやれ。。。
その後転勤で引っ越していきましたが、子どもはいつごろから性格が形成されるのかと思うようになりました。
子どもにはいいお手本がとっても大事。
性格形成にも、ピアノを上手にしていくにも。
今までにHちゃん以上の生徒に出会っていませんが、
ピアノを通してピアノ力を育て、人格を育てるという基本方針は健在です♪