2015.01.16
ある都市では自殺者が多めという話があり、
それは道路や施設配備が計画的に整備されすぎているから、
という話を読んだことがあります。
机上の論理というのか、
「これで完璧!」と頭の中で考えたことを
その通りに実行することは、
人間にとってある意味快感でもあるのですが、
それを自分以外の人にやらせると不都合が起こりやすくなるようです。
これは企業戦士にも見られますよね。
上司の言うとおりに事を運べば計画はうまくいくが、
それを実行する現場の人間に不調者が出てくるというあれ。
現場ではいろんなひずみが表れやすく、
それに直面する人はどこかで無理がかかるのです。
計画的に、というのは悪いことじゃないのに、何でダメなのかなと考えたとき、
これは私見ですが、
人の意識・心は型にはめられるレベルより広く、
その自由さを侵害されることで不都合が起きるのではと思ったものです。
読譜力もいい指も、型にはめてマスターしたほうがいい。
いいものは身に着けてしまうのが一番いい。
でも、
そのペースは個々のものを侵害しすぎないことだなと。
たとえば、
のんびりしたタイプを急かせるのは、その子を委縮させるだけで逆効果。
バッグから本などを取り出すのも、ページを開くのも、その子のペースがある。
あんまり遅いようなら、ちょっと先を意識させるような言葉をかけるけど、
教えるときの口調も畳みかけるようにはしないほうがいいのです。
その子がのびのびと能力を伸ばしていくことが大事。
自信を失わせないように、でも遅すぎることのないように気を配ってあげたい。
それにね、
集中しているとそれほど特に遅い反応にならないですよ。
少しずつ、こうあってほしいペースになじませながら、
その子の苦しくないペースで伸ばしてあげるのが私の仕事。
おとなは忙しくて、つい子どもを急かし、自分が望むことをやらせたがる。
私も自分の子どもにそうでしたが、それがよかった場合とそうでない場合があったと、
今はわかります。
〆切のある本番が控えていると焦ってしまうけれど、
時間的余裕があるなら、
“今できなくても、そのうちできるから大丈夫”という姿勢で、
追求しすぎないようにしています。
今できなくてもだいじょうぶ。
だけど、できるように働きかけていくことが大切ですね♬