2015.01.13
今日は“錯覚”のお話を。
教科書などで、
初めてみる文字や記号があると、
ちょっとなじみにくい気分がしませんか。
たとえば初めて見た‘割り算の筆算’とか、
‘関数のグラフ’とか。
初めて見るものは
むずかしそうに感じるものです。
私だって、韓国語やロシア語を
今から勉強しろと言われたら、
そりゃぁなじみにくいし難しそうだし、
全く自信がないと思ってしまいます。
楽譜の中に、
初めてヘ音記号や、シャープや、リズムなどがあったら、どう思いますか?
人間は新しいものに出会ったとき、
①わー!これなーに?おもしろそう!
②えー!これ、なんなの?イヤだなぁ・・・ このどちらかの反応をします。
①なら申し分ないですが、②なら早々にやる気激減です。
始める前からやる気をなくすと、努力する気なんか起きません。
なので私はいつも、ちょっとずつ“慣らしながら”進めています。
人の心理として、
困難そうなものがふたつ同時に来ると人間はやる気を失いがちになるのです。
だからまず、新しくて難しいかもしれないものは
ひとつだけ提示する。
そしてそれを、意外に簡単かもと思うように説明する。
それを飲み込めたら次を提示する、といった感じかな。
おとなの生徒さんたちに何か新しいことを教えると、
「あらー難しいですね。できるかな?」とおっしゃいます。
その時の私の答えはいつも同じ。
___大丈夫です。慣れれば簡単ですよ!
そしてこうも付け加えます。
___すぐにできなくて当たり前。そのうちできるからぼちぼち行きましょう!
子どもの生徒さんたちは意外に、
難しそうとか心配だとか、言葉にしません。
でもその表情を見れば不安が伝わってきます。
___初めはむずかしく感じるけど、必ずできるから大丈夫!ホントだよ!
いつかできるからぼちぼちやっていこうと話すと、
不思議ですね。
安心した気持ちになって、やってみようかなという気になってくるのです。
先生は生徒を絶望の気持ちで帰してはいけません。
「やれそう・・・やれるかも・・・」という希望を与えるのが仕事。
そのために、それぞれの先生が指導の工夫をしているはず。
不安にならないで。心配しないでね。必ずできますよ♬