2014.11.26
もう数年前のことですが、
高校生の生徒さんがやってきました。
小さいころからピアノを習っていて、
コンクールにも出て、
今はラヴェルやラフマニノフを弾いているとのこと。
聴かせてもらったら、
自分の音楽を持っていて表情豊か。
「本格的に教えてほしいんです」
こうして始まったレッスンですが、
古典のソナタが、不思議なほど譜読みができない。
一緒に譜読みしてあげても、
次週にはまたできていない。
なんで?今まではどうしてたの?
「コンクールの曲と発表会の曲だけで・・・
その課題曲だけだから、1年に2曲くらいしかやってなくて・・・」
楽譜を見てその通りに弾く、というふつうのことを、
この生徒さんは経験してこなかったようで・・・
指のことも脱力のことも弾き方のことも、
直せばだんだん直っていきますが、
努力を“積み上げていく”ということを経験してこなかったために、
もうそういったことが面倒で、やれないといった様子でした。
なんでもそうですが、
小さいころに色んないい習慣を身に着けることは、
その後の人生にも大きく作用してきます。
ピアノひとつとっても、
いろんな奏法や音色を知ることは、小さいうちのほうが身に付きやすい。
感覚的にわかるということも、体が覚えるということも、
小さいほうが楽にできるのです。
子どもを伸ばすには色んなやり方がありますが、
今までのやり方がまちがってないかどうか、
もっといい方法がないかどうか、
ギアを入れ替えることも必要ですね♬