2014.07.23
さて、ブラームス。
しーちゃんの手は
バランスよくおおらかで、よく広がります。
こういうタイプの手指は
ピアノを弾くのにうってつけ。
和音を楽につかめるから、音量も出やすく余裕があるのです。
余裕があるということは脱力もしやすい。
脱力しやすいということは、いい音になり、テクニックもよくなり、
とにかく弾くのが楽になる。
その楽さは、“音楽”の空気感に良い効果をもたらします。
そういう条件を持つしーちゃんだからこそ、
ブラームスなどはドンぴしゃ合っているのです。
さて、ようやくブラームス。
ブラームスは、
和音がとても多く音の重なりが厚いです。
シューマンも重音で構成されていますが、シューマンのそれと何が違うかというと、
ブラームスのほうが音の構築ががっちりしており、
隙がないというか、建築物のような男性的な感じな感じ。
新古典派といわれる所以は、その作曲構成が古典に由来していて
がっちりした“型”に音がみっちり詰まっているかのようで高密度。
音をつかむのも音楽的表現も、さらっとするわけにはいかない。
作曲手法も多声を駆使して複雑で、これを理解して表現するには、
テクニックと音楽性と理解する頭脳と、ブラームスに負けないパワーが必要。
しーちゃんならそれらをクリアできると思い、勧めてみたのです。
シューマンはブラームスと似た傾向は持つものの、
もっと女性的な柔らかさがあるし、ロマン派の空気感があり感情表現が豊か。
もちろんしーちゃんはどちらも弾けますが、
シューマンやショパンを弾いてきていることから、
今回はブラームスにトライというわけです。
「ひとり暮らしになって電子ピアノを買ったら、タッチや音がもうがっかりで・・・
やる気をなくしますよねー(ため息)」
どうも発表会の日は学園祭とぶつかっているようで・・・
「でも、友だちに頼んで、発表会には出られるようにしたいです!」
先輩の演奏を楽しみにしていましょう♬