2021.11.14
先月のショパンコンクール、
動画でいろいろ聴かせてもらいました。
私の中で最も印象深かった中国人の男性ピアニストは
2次予選でおしまい。あーあ、がっかり・・・
3次でソナタを聴きたかったなぁ。
と、こういうことは時々あります。
つまり、
いいなぁと思った演奏が必ずしも高い評価を得るわけではない、ということ。
逆に、
とてもうまい、でもそれほど心惹かれないということもあります。
こういうことって、つまりは相性なんですよね。
弾き手の感性と、聴き手の感性が合うということ。
もちろん、
審査員とコンテスタントにも相性が出てくるわけです。
そんな中、
今回のショパンコンクール優勝者のブルース・リウ氏は
1次から最終審査までのすべてで、審査員全員からYES(合格)をもらった唯一のピアニスト。
これはすごいですよ。
審査員全員が毎回OKを出すなんて、めったにありません。
というか、
そんな話は聞いたことがない。
それだけ、世界の審査員たちを納得させるだけの実力だったのですね。
そしてその彼を教えたのが、ダン・タイ・ソン。
40年ほど前のショパンコンクール優勝者ですね。
私は彼のリサイタルを数回聴いていますが、どうもしっくりこなかった。
なので、
相性が良くないのだろうと思っていたのですが、
今回の快挙を知って改めてダン・タイ・ソンの録音を聴いたところ、
これはとてもよかったんですよね。
どういうことだろう?不思議です。
というように、
好きな演奏だから高評価、とは限らず、
その逆もあるのがピアノ。
そしてよく似てるのがフィギュアスケート。
ジャンプで回転不足を取られると点が上がらなくなるけれど、
私たちが見てる分にはそのわずかな違いより、
見せる力とでもいうのか、魅力が大きい演技の方が好きになりますよね。
芸術はどれも、点数をつけたり優劣をつけたりするのは本当に難しい。
感性による主観や好みがあるからです。
でも、単純に、“いいものはいい”ですよね。
あなたが、あなたのピアノを、いいと思えるように弾いてくださいね♬
2021年もあと6週間ほど。
今年は思いがけない方が亡くなってしまい、寂しい思いをしています。
もう35年ほどのお付き合いのある画家の高野弘司先生、
今年のお年賀状では元気そうで安心していたのにショック。。。
高野先生は紳士で温かいお人柄でみんなに慕われていました。
家のあちこちに先生の作品があるので、なんだかポカンとしてしまう。
いた人がいなくなる。
これって大変なことですものね。
こうして「あきちゃん」と呼んでくれる人がいなくなっていくのかと思うと、しょんぼりしますね。。。