2019.07.24
先日、しーちゃんがレッスンにやってきました。
昨年看護師さんになった卒業生で、
先月に続いて2度めのレッスン。
もともとピアノ向きの手指のしーちゃんですが、英雄ポロネーズを弾くその指を見て
しーちゃん、まだまだ本気じゃないわね。
「どういうことですか?」
その指にはまだまだ全然余裕がある。もっともっとうまくなれるわよ。
「え?そうですか?
自宅で練習していると、これが精いっぱいと思うんですけど、
でもレッスンに来ると、もっとやれそうな気がしてくるんですよー!」
まだ半分ってところだから、もっともっとうまく弾けるよ。そのつもりでいるね。
その数日後、
宇都宮からひーさん(ピアノの先生)がすごく久しぶりにレッスンに来ました。
このひーさんは、私の生徒でピアノの先生になった第1号!
今まで音大に合格した生徒さんたちは、
卒業後、ピアノの先生や音楽教師になっていますが、
いくつになっても生徒はかわいいもの。
特にこの子たちはみんな受験合格まで導いたこともあって、思い入れも格別。
特に音大受験は、
生徒の人生がかかっているので絶対合格させる!という方針ですが、
その第1号がひーさんなのです。
さて、
このひーさん、レッスンはすごくブランクありですが、
いい音色で、いい発音で弾いていて、とても嬉しかった!
演奏には性格も現れると思うけれど、
彼女の柔らかさや誠実さも伝わってくるようなピアノで、
結婚育児に追われながらも、歩みを止めずに来たんだなぁとしみじみ感心。。。
「もう、先生に聞いていただくのがすごく緊張で…」
そう言いながら高速を飛ばしてきてくれて、すごく嬉しいですよ!
それに、
レベルの高い内容をどんどん教えられるって、私もとても楽しいの。
私は彼女に初めて会った時のこと、よく覚えています。
一生懸命ピアノに向かい、でもその演奏を立て直していかなくてはならなかったこと。
初めてのレッスンを、真剣に吸収して帰宅したときのことを、
あとからお母様から伺いました。
「先生のレッスンから帰ってすぐピアノに向かい、
そしたら娘の弾き方が全然違っていて…ピアノを知らない私でもすごく驚きました。
中学生の妹でさえ、お姉ちゃん変わったねと言ったほどです。」
ひーさんはとてもすなおな生徒さんで、一心に私のレッスンを吸収していきました。
今までとは違った弾き方や音色を作るのは大変だったでしょうが、
その真摯で一生懸命な姿を見て、私は意地でも、
絶対合格させてやろうと思ったものです。
レッスンだけでなく、指導法などもいろいろ話す中で、
ひーさんは何といい先生だろうかとつくづく感じ入りました。
もうベテランの指導者なのに、謙虚さや学ぶ姿勢がしっかり在って、
私はその生き方や考え方を、本当に嬉しく思いました。
先生としての自信は大切、でも過信はいけないし過剰もいけない。
どうやったらうまくなるように教えれらるか、というだけでなく、
どうやったらピアノを好きと思えるように導けるだろうかと自問しながら教えています。
ピアノを上手になりたいという生徒には、上達を。
コンクールで入賞したいという生徒には、入賞を。
音大に合格したいという生徒には、合格を。
ピアノを楽しみたいという生徒には、楽しめるピアノを。
でも、
そのすべての根底には、“ピアノが好き”という気持ちを持ってほしい。
そして、
その好きという気持ちが、いつか必ずあなたの自信と支えにつながるから。
ひーさんのおかげで、とってもいい時間になりました。
「またレッスンしてくださいますか?」
もちろん、いつでも待っていますよ!
ひーさんは誠実なお人柄で、それは高校生の時から変わっておらず、
何年も会ってなかった気がしなくて、あっという間に時間が過ぎて。
同じ仕事をする者同士の悩みや迷いも、とっても理解しあえる貴重な存在です。
レッスンに対する姿勢が同じ方向でないと会話は成立しないので、
こうしてフラットな気持ちで何でも話せるというのは本当に嬉しいことでした。
経験も積み、毎日レッスンしているひーさん先生、
自身の向上心も失われておらず、また謙虚さもあって立派な先生になられたなぁと。
それが私にとって、どれほど嬉しいことか。。。
いい方向にむけて努力しようとすること、そういう生き方が
どれほど尊いものか、どれほど貴重なことか、私にはよくわかりますよ。
ひーさん、何でも教えるから健康で充実した日々を過ごしてね。