2018.11.06
バッハ、ベートーヴェンやモーツァルト、
ショパンなど弾く時は、
なるべく原典版を使うようにしています。
原典版というのは、
作曲家の楽譜に最も近いもの。
え?それってどういう意味?
と、思いますよね。
作曲家の書いた楽譜というのは、もちろん当時の手書き。
そしてさらに、
自分が曲を作り、それを楽譜に書き、それを自分が弾いていた。
だから、
指使いや強弱など、細かいことが書かれてない場合がとても多いんですね。
それでは現代の弾く人が困ることもあるだろうと、
音符以外のいろんなものを書き加えて出版されているのです。
ということは、
強弱やスラーなどが、本来のものではないケースも出てくるわけで…
そういったことから、ある程度の作品を弾くようになったら、
私は生徒たちに原典版を使うようにしています。
その原典版も、作曲者によって信頼できる出版が色々あるし、
せっかく原典版を使っても、その読み方というか弾き方というか、
それを知らないと意味がないわけで、
そういった細かい部分をレッスンしていきます。
ここまで教えるのってどうなの?細かいしむずかしいんじゃない?と、
正直私も思っていました。
が!
生徒たちはその内容を理解し納得し、
私の教えることを徐々に身に付けて行くのですね。すごい。
できてもできなくても、
本来のバッハを、本来のモーツァルトをレッスンするね。
うまくできなくても気にしなくていいよ…
と言うのですが、
それぞれの作曲の時代や弾き方、音色など
よく理解して弾いてくれていますね。
生徒たちの様子を見ていますと、
それらを知ることは、知的好奇心を刺激し、
さらに、
普通の弾き方と、その作品の本来の弾き方を、
比べるように弾いて聴かせることで、
どっちがいいかを感じ、選んでいくように思います。
音色の違い、弾き方の違いを知り、
それをやろうと耳を澄まし、気持ちを注ぐ様子は、
何とも質の良い時間となり、先生の疲れを癒すほど。
教えがいがあって本当に楽しいレッスンです♬