2018.06.29
このまえの休日は、
原賢一先生ご夫妻にお会いするために
上京いたしました。
原賢一先生は作曲・編曲家でいらっしゃいますが、
私は先生とご縁ができるまで、
そのお名前を認識しておりませんでした。。。
が!
編曲家・原賢一氏、それはもうすごい先生で、
童謡=ななつの子、おうま、うみ、かえるのがっしょう・・・ここには挙げきれないほど、
私たちが誰でも知っている作品の編曲をなさっている先生です。
楽譜には作詞作曲者は明示されていても、
編曲者名が載っている童謡はあまり見かけませんので、
そのお名前を存じ上げなかったんですね。
ですが、その作品の多さには本当にびっくり!
お会い致しましたら、
それはそれは穏やかでにこやかで柔和なご夫妻で、
ご高齢(90歳こえ)なのに、マイナス10歳ほどの印象で、
その前日は京都でお仕事だったとか。
私は仕事柄、よく
「ピアノはどうやったら上手になるのですか?」と訊かれることがありますが、
そこで答えられるようなものではないことをよく知っているので、
「どうやって編曲、作曲をなさるのですか?」は愚問と思っていましたが、
先生は自らいろいろお話し下さいました。
___私が仕事を始めたころは、それはもうすごく忙しくて。
曲を作ってそれをテレビで使う。するとその結果がすぐに出る。
ダメなら依頼はもう来ないし、いいなら次々頼まれる。
遊ぶ暇もなくて、気づいたら大晦日だったという感じでしたよ(笑)
大変なのはオーケストラを作るときの記譜かなぁ。
記譜を誰かにさせる人もいるけど、私は全部自分で書いた。
楽器の特性、音程、記譜を勉強して、音を重ねていくの。
音大を出た若い人が教えてくださいと来るけど、
教えられるもんじゃないのね。センスだから___
。。。ですよね。
編曲は今でいうアレンジですが、
アレンジによって原曲が素晴らしくなったり、そうでもなかったり。
つまり、編曲によって原曲が生きるかどうか?ということになるのです。
編曲というのは、
原曲(メロディー)に伴奏や前奏、間奏、後奏を作り、
ピアノならピアノ譜だけでいいけれど、
オーケストラの作品にするならすべての楽器の旋律を作り重ねていくので、
吹奏楽・管弦楽の経験者なら、その総譜を作るのがどれほど大変か想像できるでしょう。
とくに、
原曲と全く違った前奏や間奏を作って仕上げていく才能は、
これは単に努力だけではムリと言えます。
どうやって作曲し、編曲し、ひとつの作品に作り上げていくのか?
それも、数えきれないほどの曲を何十年にわたって・・・
温厚で明るさのあるご夫妻から、そのご苦労は想像できませんでしたが、
ものすごい数の作曲編曲をなさってきた原先生、
次にお会いするときは、私にごちそうさせてくださいませね♬