2017.12.13
やる気はどうやったら生まれるのか?
むずかしい問題ですねー。
私は
“弾けると嬉しいからやる気が出てくる”
これを指針としてレッスンしています。
弾けるから楽しい。弾けないから楽しくない。
シンプルにそう考えますが、
それでもやる気っていうのは波があるもの。
そう、何度かお話している馴化ですね。
もし人間に馴化がなかったら?
いつも新鮮で感動の連続になります。
「わー!歩けて嬉しい!」
「わー!ガラスってキレイ!」
「わー!ひらがなが読めて楽しい!」
毎日新鮮で感動の連続。でも、その先は?
感動しちゃうとその先に進まなくても満足しちゃいますよね。
つまり、馴化があるから次にステップに進めるということがあるわけです。
さて馴化というものを大前提として考えてみましょう。
レッスン始めたときは、いつも楽しそうでやる気いっぱいだったけど、
3か月もしたらそうでもなくなって…ということ、あるでしょう。
親御さんはがっかりするかもしれないけれど、これでふつうです。
慣れて新鮮じゃなくなってくるし、むずかしさもやってくるし・・・
何事もそういうコースをたどるもの。これが馴化。
そして、この馴化を大前提として、どうやって実力をつけていくか?
ひと言でいえば、がんばりすぎないこと、でしょうか。
ピアノの練習を生活の中に組み入れて、学校の宿題のように練習を習慣化させる。
これはすごーく大事な事。
でも、いつもいつも一生懸命に練習しないといけないとしたら、
息がつまってうんざりしてきますよね。
だから、
つかず離れず。やり過ぎず、さぼりすぎず。
なんとなく練習するということでもある意味私は大丈夫と思いますよ。
もちろん、
やる気があってがんばるぞ!と思うときはがんばったほうがいい。
本番があるならもちろんがんばらなきゃね。
でも、
いつもその頑張りを要求されると子どもは苦しくなる。
馴化は当たりまえ。
だから、そこそこがんばるという感じでもいいんです。
私はストレスなくレッスンしてほしいと思っているのですが、
ストレスを感じていると、結局はあんまりうまくならないかも・・・
ピアノには心が反映されやすく、イヤそうな気持で弾いていると
それが音色に出てしまっていい演奏はできないんですね。
だから、息切れするような頑張りはしなくてもいいのではと思いますよ。
理想は、レッスン初期の段階である程度弾けるようにしてしまう。
これはやればやれるので、ピアノと言うレールに乗っちゃえばなんとかなる。
そして、
自我が芽生えるころは、本人のペースに任せる。
基礎ができていれば、少々練習しなくてもレッスンだけでもなんとかなるもの。
子どもに、いつも不断の努力を要求しすぎないことが、
成長していく心身には大切なゆとり。
ある程度大きくなれば、練習不足はよくないと本人はわかるし、
でも気が乗らないときもあると先生は理解しているし、
だけどそのうちまたやる気が起きてきたりするし。
おおらかな眼で育てていきましょう♬