2017.06.21
あなたが成長できる曲を選んで
詳しい内容を吟味する練習を重ねて
実力といい演奏が獲得できるように。
そして、つい見逃されがちですが
“真摯な姿勢”でステージに上がることも
経験してほしい___
ステージに上がると言う事は、誰かに聴いていただくと言う事です。
発表会があるとみんなはりきって練習するし、保護者の方々も楽しみなことでしょう。
でもね、よくよく考えると、
その日その場所に来てくださった聴衆の皆さんに対して、
失礼のないマナーで精一杯の演奏をする、そのために誠実な練習を重ねていく。
これがとっても大事なことなんですね。
うまければいいということではなく、
その時間を共有するときに、あなたの演奏が真摯ないいものであること・
もしちょっとミスがあったとしても、それがどうということはない。
ミスがあってもなくても、“いい演奏”というのはちゃんと伝わるのです。
それはピアノに関することだけではなく、
あなたの誠実な姿勢、いい演奏をしようとする心から生まれるもの。
もちろんピアノの実力もすごく大事。
でもそれだけじゃなく、ステージマナーも本当に重要です。
だから先生は、本番前にフリーレッスンをすることで、
ステージヘ上がる準備を作っているんですよ。
ステージに上がったら、皆様に失礼のない態度で真摯な気持ちでピアノに向かう。
これをぜひ覚えてほしい。
人間には空気感があり、みんなそれを無意識にキャッチしています。
失礼のない心をでピアノに向かうというのは、ちゃんとそれが伝わるもの。
コンクールであっても、その空気感に欠けた人を見ることがありますが、
やはり演奏もそれなりの場合が多い。
ステージを務めることで、ピアノだけじゃない学びもぜひ受け取ってね♬
≪母からの贈り物⑧≫
母の導きがなかったら私はピアノをやってなかったでしょう。
喪主を務め、皆様に挨拶させていただきながら母との時間を思い起こすと、
そこにはいつも明るい元気と母の笑顔があり、
明るく笑顔で暮らすことが、ひいてはみんなの幸せだと思いました。
がん症状がないことは本当に感謝しかなく、祈りは通じると思えることでもありました。
祈りや思いというのは、それ自体は見えないことでもちゃんと存在し、
亡くなる1週間前に言った「人がいっぱいいてあったかい」を思い出すたび、
ひとりで旅立った母を心配せずに済むとも思えました。
77年の人生、2か月の入院の間、一緒にいる時間を大切に大切に過ごせました。
ちょっとした偶然が重なり、明け方最期の30分に間に合ったことにも感謝です。
この年でお恥ずかしいことですが、「パパ・ママ」と呼ぶ人がいなくなるのは、
想像以上にさびしいことですね。そして親を呼ぶその言葉の何と温かいことか。
この先もっと悲しくさびしくなるでしょうが、
「私が死んでも泣かなくていいからね」と母が言ったことを思いだし、
悲しみから遠ざかっていたいと思います。