2017.06.15
ひとりで立つステージでは、
大きな緊張がありますね。
その緊張の中でいい演奏をするために、
いい練習が大切になってきます。
努力する→集中する→自制心・自我を磨く→自信と安定感が育つ
この図式は本当ですよ。
精神的なものが緊張克服と関係してきて、
それはピアノだけじゃない、様々なところであなたの力になるのです。
もしうまくいかなかったとしても、
その失敗の経験があることで次への自覚が生まれるし、
ほかの側面から言うと、他者への受容が形成されます。
思いやりとか、共感、やさしさがうまれるのですね。
これはリーダーとしての資質につながるもので、
さらに物事への取り組む姿勢、関心の持ち方が変わってきます。
少しずつ自信を育んでいくことによって、生き方も変わってきます。
自信がないと、生き方が狭まっていき、選択肢も限られてくるのです。
私はレッスンを、ピアノの上達だけを目的にしていませんので、
保護者の方々も、そういう視点でもお考え頂ければと思っています。
さて、本番を意識した練習によって、あなたの新しい実力が育って行きますように♬
≪母からの贈り物⑥≫
母によって私はピアノを与えてもらいました。
私自身、ピアノをやってなかったら今の思考・感覚・生き方はないと思うので、
大きな指針をもらったと思います。
4年前に父を亡くして以来毎週末、妹と私は母の元で過ごし、
食べられるうちに、出かけられるうちにと、泊りや外食などに誘いました。
がんの症状がなくても病状は少しずつ進行し、母にはそれを伝えずに来ました。
3月から2か月間の入院生活でしたが、
母との時間を大切に過ごそうと、いられるだけ病室にいました。
穏やかで平和な病室でしたが、少しずつ弱っていく中で、亡くなる1週間前、母はふと
「人がいっぱいいてあったかい」と言いました。
それを聞いて、ああそれなら心配なく送り出してやれると思いました。
現実離れした言葉はこの時だけで、最期まで意識もしっかりしていた母ですが、
妹と二人、最期の数十分に間に合い、看取ることができました。
本当に静かな眠りで、私たちの、苦痛なく送りたいという願いが叶いました。